決戦12
地面を大きく破壊したゴルグガンの横をすり抜けたアラマキは、後ろから刀で関節部を狙い振り抜いた
ガギャンと激しい音が響く
「なんと、関節部までこの硬さとは恐れ入ったでござる」
「俺の鎧は空より飛来した特殊な金属製だ。この世にはない金属でできている。そして、自在に変化するんだよ」
銀色の鎧の左腕部分がタコの触腕のようにしなってアラマキを叩きつぶす
「あぐ!」
ゴチャッというアラマキが潰れる音
二人は血の怪我引いた
あれほど強いアラマキが一撃でつぶされたのだ
触腕の下からはアラマキのものと思われる血がドロドロと流れ出てきた
「最強の一角と言われる時空の勇者をここで殺せたのは行幸。幸先がいい」
「アラマキさん!」
ビイは激しい天雷を落としてゴルグガンを退かせる
地面に倒れているアラマキを助け上げるとグルリシアの元へと下がった
アラマキの体はグチャグチャにつぶれていて、両腕、両足はグネグネに曲がっていた
「あー、油断したでござるよ」
確かにダメージは受けていた
だがこの程度、アラマキにとってはかすり傷のようなもの
体は瞬く間に元通りに戻った
「ア、アラマキさん、平気なんですか?」
「拙は呪霊でござるよ? 死んでるのに死ぬわけないでござろう。浄化されればまあ、消えるかもしれないでござるが」
アラマキは甲冑についた埃をペシペシ払い、刀をゴルグガンに向けた
「ハハ、クハハハハハハ!!! そう来なくては面白くない! ゆくぞ現代の勇者!」
「一刀絡み、蛇崩」
スルルルと滑るように、まるで生きているかのように刀が動いてゴルグガンの鎧がばらばらと崩れ落ちた
中から裸の少女がポーンと出て来る
「な、んな、なぁああああああああああああああああああああ!! 俺の、俺の銀鎧がぁ! あああああああ!!」
泣きじゃくる少女
「なんと、やけに声が若いと思ったらこんなチビスケでござったか」
「なにすんだよ! 俺の、俺のアイデンティティを奪いやがってぇ! どうしてくれるんだよぉおおおお!」
大泣きに移行するゴルグガン
そっちはもう戦闘不能だと判断され、カー・ラーの方を見るが、いつの間にか彼はいなくなっていた