決戦1
ニャンパの森はこの街から東北の方へ抜ける道の先にあった
遠目からでも森の木が少しずつ倒れている個所があるのが分かる
ズズズと木々がなぎ倒されていっている場所にいるのは間違いない
というか範囲を見るに大きすぎる
全長は多分五十メートル以上はあるんじゃないかな?
古代のヘビのティタノボアより大きそう
「ひぇええ、おっきいっす」
「クロ姉ちゃん、ミアちゃん勝てそう?」
「うちの嫁は最強格っす。よゆうっすよ」
「誰が嫁だ誰が」
「え!? ミア結婚したの!?」
「フィオナちゃんまでもう」
フィオナちゃんが冗談を言うなんて珍しいな
「エルヴィス、あの魔物がもともと何か分かる?」
「大きい蛇の魔物だったらウワバミとか、タイタンボアとか、ミズチってのもいたかな? まあミズチは神獣よりだから人を襲うことはないと思うけど・・・。あ、あの模様は」
エルヴィスはカード魔法で収納していた魔物図鑑を取り出す
表紙には蛇魔物と書かれていた
「えーっと、あ、これだ」
エルヴィスが見せてくれたのは、あの巨大蛇の模様によく似た魔物、ソイドスネークという小型の蛇魔物だった
「え、最大でも一メートルって・・・。もしこの魔物が素体ならなんであそこまで巨大に?」
「やっぱこの土地が肥沃すぎるからっすね。巨大化も一度や二度じゃないっすし」
ともかくあの魔物、仮にグラウンドスネークとでも言っておこう
素体がソイドスネークなら土魔法も使えるはず
ただこれだけの魔力があるグラウンドスネークなら、地震も起こせそうだ
つまり魔法を使われたらこの土地そのものの危機
これは考えて戦わないと、精霊国が危ない
「ううううん、どうすればいいっすかね。今のところ襲ってくる気配はないっすけど、あれ、もうこっちに気づいてるっすよ」
確かにこっちに向けて殺気があのヘビから出ている
いつでもやれるぞって意思表示とみた
「私の魔法であいつの魔法を阻害してみる。今の私ならできそう」
メアリーが自信たっぷりにそう言った
「任せるよメアリー」
「ええ!」
それぞれ分かれて、私とフィオナちゃんは蛇の頭の方へ向かい、エルヴィスとメアリーは胴体、クロは尻尾の方へと走った