ミア7
気の力を感じる
この少年神様、格闘を得意としてるのか拳をこちらに向けていた
「せい!」
「うわおわ!!」
なんとランマ様は気の塊を拳から飛ばして攻撃してきた
間一髪だったけどなんとか避けて体勢を立て直すと、すでに視界からランマ様は消えていた
「虚拳!」
気の塊を纏った一撃は私の体内にまで響いて、ようするに滅茶苦茶効いた
痛すぎる・・・
転がる私をさらに追撃しようとするけど、そう簡単にやられてたまるかとばかりに立って、気を纏った蹴りを回避した
「やるね、なら・・・。気双刃!」
気を纏った爪から気の刃が幾重にも飛んでくる
仙力で防御用のスキルを強化してガードしたけど、気の刃はその弱い所を集中的に狙ってきて、私のガードはあっさりと崩れた
「気をコントロールすればこんなことも出来るんだ。君もやってみて」
「あ、は、はい」
この神様、真面目に戦いながらも指導してくれてるみたい
さっきのアコ様もそうだけど、真面目な神様もちゃんといるんだ
「いいかい? 気は体の一部。まあアコさんが教えてるからわかってると思うけど、本当に手足と同じと思えばいいんだ」
いわれた通りにイメージしてみる
気力は手足、体
「ふぅうううう」
息を吐いて、深く吸って、体が熱くなる
「いいよ! そうそう!」
アコ様の教えも思い出しながら
「んにゃああああああ!!」
あれ? なんだか体がおかしい
「ミアちゃん、なれてるっす! なってるっすよ!」
「へあ? なんに?」
「猫精霊っす! そっか、本当にあとちょっとだったんすね」
気力の扱い方まで完全にマスターした私は、無事に猫精霊へと進化した
「よしよし、じゃあ戦おうか」
構えなおすランマ様
「胸を借りさせてもらいます!」
今までの比じゃない、私は体の変化と力の増加を感じながらランマ様を見る
「気仙の咆哮!」
気力と仙力を混ぜて雄たけびを上げると、ランマ様が動けなくなった
「な、まさかもうそこまで!?」
驚いてるランマ様を思いっきり蹴った
ドゴンと壁に叩きつけられるランマ様
「うぐ、いたたた、さすがアコさんに傷をつけただけはあるね。強いね」
ランマ様は蹴られたところをさすりながら私の前に立つ
「うんうん、おめでとう。やっぱり成長を見るのって楽しいね」
ランマ様がパンと手を叩くと、扉が出現した
「これで試練は終わり。本来もっと時間がかかるはずなんだけど、君、すごいね。そのうち僕の眷属にならない?」
「いえ、私もうバステト様の眷属なので」
「アハハそっか、じゃあ仕方ないか。またいつか会おうよ。きっと君はもっと高みに行けるから」
「うーん、私はのんびり暮らすために強くなろうとしてるだけだから、そこまで高く昇りたくはないですかね」
「うんうん、猫はそれでなくっちゃね」
ランマ様は私をよしよしと撫でて、出口まで見送ってくれた