ミア5
第三階層
今度はなんだかSF映画によく出てくるような、宇宙船の通路みたいな場所だった
チカチカと何かの光が光ってたり、近代的な自動ドアのようなものがあったり
てかこのドア開いて中見た方がいいのかな?
私は扉の一つの前に立って開けようとしたけど、猫の体じゃ扉まで届かなかった
「開けたらいいんすか?」
「うんお願い」
クロが扉を開けると、そこはやっぱり宇宙船の船室のような部屋だった
今の今まで誰かいたかのような痕跡があって、まだ湯気の立つコーヒーが置いてあった
「うげ、なんすかこのネバネバ」
クロが触った机には何か透明の粘液が付着してる
クロは指でそのねちゃねちゃした液体をこねくってから、椅子にかかっていたジャケットに擦り付けた
「これ、血が」
その椅子には血がついていて、明らかにここで何かあったことを物語っている
「何かに襲われたみたいっすね。でも暴れた形式がないってことはひゃう!」
クロが部屋の中を調べていると、上から何かが垂れてきた
「こ、これって、この粘液と同じっぽいっす。生臭い匂いもいっしょっす」
「じゃあここから何かが来て、ここにいた人は襲われたってことかな?」
粘液が垂れてきたのは、上にある通気口のような場所
そこは開いていて、少し広がっていることから何かが通ったに違いない
これはいよいよをもってあの映画のあの化け物みたいなものに襲われた可能性が高くなってきてる
「別の部屋に行ってみよう」
最初の部屋を出てから、正面にある二つ目の部屋に入る
ここは女性の部屋だったのか、フローラルな香りがしてるのと、血がいっぱい飛び散ってるから血の匂い
机の上には若い男性の写真が置いてある
どうやら宇宙人なのかな? この世界でも見たことのない人種の男性だ
やっぱり粘液がそこかしこにあって、上を見ると通気口がグチャグチャになっていた
そこに血がついていることから、この部屋にいた女性もここから攫われたのかも
「これ、なんの試練なんすかね? 人を襲ってる魔物を倒せばいいんすかね?」
「かもね」
正直怖いんですよ私
こういうモンスターパニックはとにかく苦手で、映画とかも一回見てもう二度と見なかったからなぁ