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ミア4

 猫蝶から辛くも逃げおおせた

 なぜかクロばかり狙われたから、彼女は傷だらけだけど、うんまあいっか

「よくないっす、痛いっす」

「はいはい、ほら」

 私が肉球でぷにゅんと触ると、傷は全快した

「ふわぁあ。気持ちいいっす」

「クロ、気持ち悪いよ」

「そんなぁ、だって好きな子の肉球っすよ? しかたないじゃないっすか」

「君、普通にそういうこというのね。ある意味すごい子だわ」

「ふふ、うちの愛はずっとミアちゃんに注がれてるっすからね」

 はいはいと返事をしておいて、二階層の最奥らしき部屋を見た

 そこには二足歩行の猫? いや、猫人間のような者が立っていた

「ニュフフ、来たね猫精霊になろうとする者よ。私はゴンザ! 猫人が武闘家である!」

 ビシッとかっこいいポーズで決めるゴンザ

 彼は武闘家らしくこちらに一礼した

「これはこれはどうもご丁寧に」

 私達もぺこりとお辞儀をする

「うむ、礼節素晴らしい! では気力を高めるため、私と一勝負してもらおう!」

 ゴンザが構える

 クロには下がっていてもらって、私はゴンザの前に立った

「いざ!」

「行くよ!」

 私は先手を打って爪で引っ掻いた

 それを軽々躱すと、ゴンザはカウンターぎみに私の脇腹を殴った

「ぐぇ!」

 痛い、けど、多分手加減してくれてる

 着地した私は素早く走って背後を取って、ゴンザの背中を叩いた

「むむ、いい動きだ少女よ」

 背中に直撃したはずだけど、ゴンザは息をふっと吐いて背中に何か力を流して私の攻撃を受け流した、ように見える

「これが気の流れを使うということ。君の攻撃を気で逸らしたのだ」

「やっかいだね」

「気力は極めれば魔法すら受け流す。気の流れを感じなさい。体の中に流れる気の流れを」

 いわれた通りに私は内なる力に目を向けてみる

 ゴンザはそのまま待っていてくれた

「ぐぬぬぬ、むむむむ、うぐぐぐ」

「力を入れず、リラックスするんだ」

「は、はい!」

 私はふーーーと息を吐いてから、ゆっくりと深呼吸を始めた

 ドクン

 私の心臓が脈打ってるのが体全体に伝わる

 あ、そっか、これなんだ

 気力って、生命力とおなじなんだ

 私の中に元々あって、生まれたときからずっとこの中にあったんだ

 だから私は、この力を扱えるんだ!

「見事」

 ゴンザの方を再び見る

「さぁ、その力で私を倒してみろ!」

 ここからのゴンザは本気だ

 さっきと雰囲気がまるで違ってて、すごい闘気だよ

「肉球ウウウ!! 打魂!」

 肉球パンチの要領で気を手に溜めてゴンザに殴りかかる

「奥義、千涛花!」

 パッと弾ける気力の花が、私のパンチを包み込む

 でもその花を砕いて、私のパンチは見事にゴンザのみぞおちに食い込んだ

「ぐおおおお!」

 ゴンザが吹っ飛んでいって、床に転がった

「ご、ごめんなさい! 手加減ができなくて」

「ふ、ふはは、いやいい、なかなかのいい打撃だった。ぐふぅ」

「あわわわわわ」

 わらうゴンザの口から血がドバっと出た

 慌てて私は彼を回復させた

「ふぅ、いやぁ参った参った。次に進むといい。これほどの気力を持っているなら迷宮を攻略できるだろう。頑張るんだぞ」

「ありがとう!」

 ゴンザはニコニコ手を振って私達を見送ってくれた


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