ミア3
第二階層
大迷宮って言うからかなりの広さを予想してたんだけど、広さ的には普通の迷宮とそんなに変わらないかも
でも問題は階層の階数だよね
百階まであったらどうしよう?
「ミアちゃん、なんか変なのがいるっす」
クロが何かを見つけたのでそっちの方向を見てみると、うねうねと動く芋虫のようなものがたくさんいた
「なんだろ? 何かの幼虫みたいだけど・・・。おっきいね」
「おっきいっすね」
私達猫の大きさと比べてもかなり大きい
人間の幼児くらいはあるかも
その芋虫たち、よく見ると・・・
「ぐえええ、なんすかこれ、滅茶苦茶気持ち悪いっす」
普段猫ってのは芋虫を食べることもあるから、大体の猫はこういうの平気なんだけど
この芋虫、顔が毛のない猫みたいですごくアンバランスで、なんか心の平穏がかき乱されそうな見た目なのよ
で、その芋虫たちは一斉にこっちを見てる
「ニュー」
「ひっ、鳴いたっす!」
「な、鳴いてるね」
「ニューニュー」
「ニィー」
「ニュアアアア!!」
「ンナニャー」
怖い怖い怖い怖い
地獄絵図ですよこれは
不気味な声と不気味な姿で一斉にこっちに向かって這いずってくる姿は、まるでホラーゲームの登場モンスターのよう
「とりあえず動きは遅そうだから襲われないよう横をすり抜けようよ」
「う、うんっす」
うねうねと向かってくる猫芋虫の横をそっと通り抜けようとすると、とつぜん猫芋虫の動きが止まった
「はえ?」
芋虫がなんか光って
「これまずいかも。走って!!」
「は、はいっすううう!!」
慌てて走り出し、後ろを振り返って見ると、芋虫が進化していた
うん、あれは進化で間違いない
なんと羽が生えて飛び始めたんだ
まんまさっきの芋虫に羽が生えただけのさらにキモ怖いフォルムに
それがナーナーと鳴きながらこっちへ飛んでくる地獄の中の地獄
飛ぶ速さは結構速い
このままじゃ追いつかれそう
「大空爪!」
大振りだけど広範囲を切り裂く爪で攻撃
何匹かの猫蝶を倒せたけど、回避してる優秀なのもいる
で、その攻撃をくぐり抜けて来た猛者が激突して噛みついてきた
「いたたたたた! 痛いっす! だからうちは挑戦者じゃないっすよ!」
「だから魔物には分かんないって! 空牙!」
噛みついてきた猫蝶を空牙で噛み返して倒す
数回噛まないと倒せないことから、結構耐久力はありそう
「あ、あれ? なんか眠たくなってきたっす」
「ちょ、何言って・・・」
あ、これバッドステータスだ
噛まれた時に多分眠り毒のようなものを打ち込まれたんだと思う
「ふひゃぁ、おやすみなさいっす」
「寝ちゃ駄目!」
私はパンパンパンとクロの顔に肉球平手打ちを喰らわせて無理矢理起こした
「あうぅ」
可愛い顔がはれ上がってるけど今はそんなこと言ってられない
あの蝶多分肉食
眠らせて食べる気なんだ
ガチガチと歯を打ち鳴らしながら襲ってくる猫蝶を倒し、奥へ奥へと進んでいった