ミア1
猫精霊の国にあるという大迷宮ニャニャハテ
ここは猫精霊の国にあるだけあってヒトが入ったことはないみたい
大英雄クラスの猫たちは皆この試練を突破したんだって
ただその内容は入る猫ごとに違うから、前に入った猫の話を聞いても参考にはならないんだってさ
私が精霊になるために足りない気力を伸ばすため、私はそのニャニャハテの扉の前に立った
そして扉を開くと中へ
「にゅああああ! おいて行かないでっす! うちも一緒に行くって言ったっすよね!?」
「あ、そうだった」
クロがついてくるのを忘れて一人で入ろうとしてたよ
そういえば準備してくるって言ってたね
「あ、あれ? なんで人間形態なの?」
「うちはミアちゃんのサポートっす。試練に対しては手伝わないっすけど、ご飯を作ったり、休ませたり、英気を養ってもらうためにはこの体の方が都合いいんすよ。ほら、人間って手先が器用じゃないっすか」
「ああ確かに。猫の手も借りたいとは言うけど、料理とか作れないもんねこの手じゃ」
見目麗しい美少女になったクロと一緒に扉の中へ入って行った
第一階層
薄暗くて見えずらい
猫の視力でこれってことは、人間だと真っ暗にしか見えないね
そんな中を慎重に進んでいく
「ミアちゃん、ちょっといいっすか?」
「んー?」
「トイレ行きたいっす」
「へ?」
「もう漏れそうっす!」
「いやなんで行ってこなかったの!?」
「いやぁ行ってきたんすけど、なんかミアちゃんと二人っきりでこんなところにいるって考えちゃうと、緊張しちゃって。うち緊張するとお腹痛くなるんす」
「はぁ、もう、ちゃっちゃと済ませてよ」
「了解っす!」
クロは着ているズボンをずりっと・・・
うん、見ないでおこう
私は少し先に行って耳を塞いでクロのトイレが終わるのを待った
「ふぅ、すっきりしたっす」
「ちゃんとふいた?」
「ふく? 何をっす? 砂ならかけたっす!」
そうだった、この子猫だったわ
とりあえずクロと一緒に第一階層の暗闇を進んでいた
するとキキキという何かの泣き声が聞こえる
「ミアちゃん、しっかりと目で視るっすよ」
「目で、視る」
クロの言わんとせん事は分かってる
私は目を凝らすのではなく、探知のための力を目にしっかりと乗せて見てみた
その時気づいたんだけど、この探知ってスキルと言われていて、魔法とかとは違う能力
このスキル、気力を多分使ってるんだ
生命の気の流れをつかさどってる気力
それを目に宿して探知を強化した
すると向かってきている魔物の姿が見えた