フィオナ5
「やるな! 明らかに実力は違うが、その技術、身体能力、そして・・・」
「セイブ、ラヴハート!」
間髪入れずフィオナは間合いを詰めてハートを形どるかのような剣技をカムオルの腹部に斬り込む
「そう簡単にいくかよ!」
腹筋にフンと力を入れると、カキンと弾かれた
「だがまあそうだな、お前磨けばもっともっと強くなるな。原石だ原石。俺の上司もお前と戦ってみたいと思うぜ」
「上司?」
「ああ、俺たち悪魔には優劣があるからな、俺が最初に名乗ってた子爵クラスってのはそのままクラスだ。ランクってことだな。王になると世界一つくらい簡単に破壊しちまう。まあ誰もやらんけどな」
コキコキと首を鳴らすとすでに万全の体勢
「さてと、そんじゃまあ、次に期待ってことで、ダークフォルトゥナ」
キーンと耳鳴りのような音が響いて多量の魔力が圧縮される
そしてカムオルの両腕から真っ黒な魔力の塊がフィオナ達に向けて放たれる
「セイヴ、シールド!」
「カード魔法、金月の壁!」
「アースシールド!」
「聖剣シルファ!」
四人がそれぞれ防御態勢を取る
そこに直撃する攻撃
「あああああ!!」
「ひぃいい!」
「ぐああ!」
「うぅっ!」
魔ともに喰らっていれば立ち上がる気力すら残されていなかっただろうが、全力を防御に向けていたため何とか立ち上がることができた
だが四人ともすでにフラフラだ
「ほぉ、耐えたか、やはりお前らは、見込みがある。そのうち世界すら救っちまいそうだな」
「はぁはぁ、ええ、救います。だって勇者だから!」
フィオナの目は死んでいない
叫び、再び剣を構える
その体に力が宿った
最初は小さな灯火だが、次第に膨れ上がって行った