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フィオナ2

 快適な空の旅はあっという間に終わり、二時間ほどで帝国へと到着した

 あれだけ破壊されていた街は異世界人同盟やバスティア教の力も借りてほぼ復興していた

 城の方は皇帝が先の戦いで死に、皇子が今は皇帝となっているようだ

「勇者ワサビって子は教会近くの家に住んでるって聞いてるよ。行ってみよう」

 エルヴィスは教会の方を指さす

 この国では城の次に大きな建物のためすぐに分かる

 教会に着くとたくさんの人々が祈りをささげていた

 ここもバスティア教の教会である

「あの家が勇者ワサビの家みたいだね」

 家の前には小さな花壇があり、そこに一人の女性が水をあげていた

「あ、あの」

「あら、もしかしてワサビに会いに来たのかしら? あなた、勇者よね?」

 勇者だとあっさり見破った女性

 フィオナ達の出で立ちは普通の冒険者とあまり変わらないが、勇者特有の魔力の流れがあり、それを視ることができる者ならば勇者だと分かる

「ワサビなら家の中にいるわ。今ご飯を食べているところよ。あなた達もよかったらどうぞ」

 女性は水をやる手を止めると、家の中に案内した

「ワサビ、あなたと同じ勇者が来てくれたわよ」

「ムシャムシャもぐもぐ、んぐ、ゴクン。こんにちわ! 僕はワサビ! 剣の勇者なのだ!」

「私はフィオナ。バララスラの勇者です」

「おお! バララスラってお隣の国なのだ! お母さんに教えてもらって僕知ってるよ!」

 ワサビは食べる手を止め、ニコニコとそう答えた

 そうこうしている間にワサビの母親、先ほどの女性がたくさんの料理を運んできた

「あの、ご迷惑ではないですか? せっかくの料理ですのに」

「いいのよ、私こう見えてスキル持ちでね。料理の達人っていうスキルでどんな料理でも一瞬で作り出せるの」

 スキル持ちの一般人はそこまでいるわけではなく、たいていが冒険職についている

 ワサビの母親のような普段使いできるスキルはかなり重宝されており、引く手あまたなのだが、彼女は家族のためにそのスキルを使うことを選んだ

「お母さんの料理、すっっっっっっごく美味しいんだよ!」

 お言葉に甘え、三人とも料理にありついた

 今まで食べた料理も美味しかったが、ワサビ母の料理はそのどんな料理にも負けない美味しさだった

 料理を食べ終え、本題へ

「実は、ワサビちゃんが迷宮へ行くと聞いて、同行させてもらいたいと思ってここまで来たんです」

「本当ですか!? 実はワサビ一人で行くというので心配で、ベテラン冒険者さんか、異世界人同盟の方に相談しようと思っていたの」

 どうやら願ったりかなったりだったようで、ワサビもそれでいいとのことでとんとん拍子に話がまとまり、翌日には迷宮へ行くことが決まった

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