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タルニャ9

 二体の大きな巨人が襲い掛かってくる

 ミスリル製の巨人とオリハルコン製の巨人

 この二体は動きこそ緩慢なものの、確実にタルニャを捕らえ、遅いなりの動きをしてタルニャを追い詰めて行く

 対してタルニャの攻撃はいくら細胞レベルで切り裂くとはいえ、ミスリルやオリハルコンにその刃が入り込む余地がなかった

「八方ふさがり、ですが、まだわたくしは諦めませんことよ!」

 タルニャは巨人たちを見て一つの突破口を見出す

 いくらオリハルコンやミスリルで出来ているとはいえ、関節の可動部はさす込めるスペースがどうしてもできる

 タルニャはそこを狙い攻撃を開始した

「ファンタズムイージス!」

 可動部の隙間を狙い硬い盾型の武器を差し込む

「ファンタズムプロ―ジョン!」

 入り込んだ武器はその場で大爆発

 可動部のつながりを切られたことで両腕が肩から落ちる二体

 間髪入れずに脚部を破壊

「ほほぉ! この状況で冷静に・・・。よい頭を持っておる」

 関心するダルトン

 二体の巨人が動けなくなったのを見て満足そうだ

 だが

「よし、では行くぞ」

 巨人がパーンと弾けたかと思うと、それが鎧となってダルトンに張り付いた

「ブラックホール」

 ダルトンが手を翳すとそこに全てを飲み込むブラックホールが生まれた

「ひきずり、こまれ」

 段々とダルトンの方へと引き寄せられるタルニャ

 そしてダルトンは彼女の首を掴むと、そのまま地面にたたきつけた

「ふむ、ここまでかの?」

 メギャッという音が響き、タルニャは地面にめり込んでいた

 戦闘不能に思えるが、タルニャは向くりと立ち上がると、全くダメージを受けていないかのようにニヤリと笑う

 だがその体には振動によってかなりのダメージがあった

「ぐふっ」

「ふむ、これを耐えるか、さすが我が子孫といったところじゃの」

 始終ニコニコのダルトンは鎧を脱ぎ去った

「認めよう、この鷲の本気の一撃じゃったのに仕留めきれんかったわい」

「あぐぶっ、げふっがふっ」

「ああ無理にしゃべらんでいい。ほれ、これを飲め、古代の英知フルポーションじゃ」

 ダルトンが渡したのは、死の淵からでも完全回復できるという、今では失われた技術で作られたフルポーション

 タルニャは顔をゆがめながらもなんとか飲み下すと、あれほど激痛が走っていた腹部の痛みが消え、それどころか精神的にも回復できていた

「よくやった子孫よ。お主は勇者として偉業を成すだろう。頑張るんじゃぞ」

「はい!」

 タルニャは無事勇者として覚醒し、迷宮を後にした

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