魔王の王36
「レッドフレア!!」
かなりの火力の炎魔法がジャラジャフにぶち当たる
「メアリー!」
「これでもダメなんて」
「あの鱗、並みじゃないよ。伝承と違うからもしかしたら強化されてるのかも」
私の探知魔法はジャラジャフを指し示している。そしてそこからさらに別の方向へ線が伸びていた
どうやらこの魔法は復活して間もないみたい
それなのにここまで強力ってことは、魔王を復活させている何かは復活した魔王を強化できるようになっているのかもしれない
「セイヴァァアアア!! クレッシェント!」
これ以上被害を出すまいとフィオナちゃんが斬りかかる
でもやっぱり鱗に弾かれてしまった
私は巨大化したままのその体でなんとか侵攻しているジャラジャフを止める
「シュラフルフフ、お前、猫か? 猫はうまい、締め上げて、丸呑みにしてやる」
うわ喋った
知能のなさそうな暴れ方をしてたから、前見た復活魔王みたいに自我がないのかと思った
「わらわは猫が好きだ。お前のゆに喰いごたえがありそうなのはとくにな」
しゅるりと尻尾が絡みついてきて締め上げる
ものすごい力だけど、私はさらに巨大化してその拘束を解いた
「ぐぬ、一筋縄ではいかぬか」
ジャラジャフは口を大きく開けると牙を飛ばしてきた
とっさに避けると地面が煙を上げて溶けた
とんでもない毒だ
「シャッシャッシャッ!」
凄い数の牙だ飛んでくる
それがフィオナちゃんたちにも降り注ぐけど、メアリーの魔法の盾のおかげで防げた
「こんのぉおお!」
今度はタルニャが新調した盾で思いっきり頭を殴る
盾にはメアリーの魔法がかかってて強化されているみたい
ガゴンと激しい音がして、ジャラジャフが倒れる
「き、効きましたわね」
本人も効いたことに驚いたのか、タルニャはきょとんとしてる
「でかしたよタルニャ! 打撃だ、打撃で内部にダメージを与えるんだ!」
私は肉球を鋼鉄以上に固くして殴りつける
「ぐ、ごお」
脳震盪を起こしているのか、ジャラジャフはふらついている
「シールド、ハンマー!!」
タルニャの盾がハンマーのように変化してジャラジャフの頭をさらに叩いた
「グルルルルアアアア!!」
怒ったジャラジャフは尻尾を街にたたきつける
そこをメアリーがファインプレイでカバー。街の破壊を免れる
「この! キャットメテオパンチ!」
まるで隕石のように強力なパンチをジャラジャフに叩きつけて、その頭をつぶした
砂となって消えて行くジャラジャフ
それと同時に召喚されていた蛇魔物たちも消えていった
「うう、手が痛い、鉄板叩いてるみたいだったよ」
ジンジンする手をフーフー吹きながら私は元の大きさに戻った