魔王の王14
魔王の眠っている地へ近づくごとにアンデッドたちは強くなっていく
ごつい鎧を着たゾンビやら、魔法を自在に操るリッチなどなど
数も多いから厄介なんだけど、クピアさんの前になすすべなく倒されて行った
「Sランクってこうも桁外れなんだ・・・。帝国を救った光と闇の勇者にも引けを取らないのかも」
「お、あの二人を知ってるのかな?」
「会ったことはないけど、帝国とは少なからずかかわりがあったので、情報は入って来てます」
フィオナちゃんの本当の両親は操られていた帝国の十二覇人たちに殺されてしまった
操られていたとはいえ、帝国に行くのはフィオナちゃんも辛いだろうと思って、解決したならとそこまで長居はしなかった
そのため光と闇の勇者には会っていない
ただとんでもなク強い上に、帝国を操っていた異世界からの何かを一撃で倒したってことは知ってる
会ってみたいけど、気難しい性格らしいからねぇ
「あの二人は厄介だよ。人を守ることに関してはストイックで信頼がおけるけど、それ以外のことに関しては無頓着。コミュニケーションが取りづらいんだ」
「ねー、それ私も思った。可愛い子達だから抱きしめようとしたら光の速さで避けられてさ。おかげで転んで鼻すりむいちゃったもん。まあすぐに謝って直してくれたけど」
ニッサさんは子供好きで有名らしくて、フィオナちゃんも最初ノーモーション抱きしめの餌食にあった
羽毛が気持ちよくてそのまま受け止めちゃったみたいだけどね
「お、どうやら来たみたいだ。これまでの敵とは比にならないから、気をつけて行くよ」
クピアさんの探知に引っかかった何か
多分というか、絶対アレだ
「ほら来た! 全員戦闘態勢! 最初から本気で行くよ!」
空からドザンと、地面にクレーターを作って出てきたのは、スケルトンドラゴンだった
「ひぃ、大きいですわ!」
タルニャも驚くのも無理はない
ほんらい竜なんて見ること自体が稀も稀
しかも小山ほどもあるこの大きさの竜なんて、もう百年ほどは目撃されていない
帝国との境の山にもいたけど、ここまでは大きくなかったからね
「あれはエンシェントドラゴンって種のスケルトンだ。扱う魔法も強力だから、なるべくニッサから離れないで」
「おいで子供達。私がしっかり守ってあげるから」
ニッサさんはかなりの魔力が込められた結界を作り出すと、私達一人一人を囲ってくれて
ここまでの魔法結界を全員に張るなんて、メアリーでも出来ない
万能の盾を手に入れた感じ