魔王の王11
翌日、エルヴィスの方はしっかりと目覚めてた
もう怪我の具合もいいみたいで、手も再生してる
でもメアリーが一向に目覚めない
脳に少しダメージがあったのかも
私の肉球は生きてさえいれば体は元通りになる
たとえ頭が吹き飛んだとしてもね
でもさすがに脳にダメージがいってると、再生には少し時間がかかるみたい
前に頭を打って脳挫傷を起こしたおじさんを治したことがあるんだけど、その時で一週間は眠ったままだったからね
「メアリーは僕が見ておくから、ミアも二人も出かけてきなよ」
まだ目が覚めたばかりだって言うのにエルヴィスは私達を気遣ってくれる
「ありがとう。ギルドに行ってくるね」
今日はギルドに報酬をもらいに行く約束
ギルドマスターが帰って来てるはずだからね
ギルドに着くと何やら騒ぎになっていた
耳をすませてみると、どうやらSランク冒険者が来てるらしい
そっか、ポイゾナの討伐に来てくれてた人達か
そんなSランクの彼らの姿を見てみる
勇者たちとはまた違ったオーラがあるし、明らかに強者だ
「お、君たちがポイゾナ討伐の」
Sランクの一人が私達を見つける
なんでわかったんだろう?
「ふむふむ、これは確かに、倒したと言っても十分に信用できる」
「クピア、あんまりカランじゃダメよ。びっくりしてるじゃない」
「あ、ああすまない。驚かせるつもりはなかったんだ」
クピアと呼ばれた翼人族の青年
鎧は豪華というより、機能性や防御面を重視した無骨なデザイン
「クピアがごめんなさいね。私は彼とパーティーを組んでるニッサよ」
自己紹介してくれた女性は魔人族で、装備から魔術師だね
「ほら、ギルドマスターから報酬をもらってきなよ。そのあと時間があったら一緒に来てくれないかい? ご飯でも驕るから話を聞かせて欲しいんだ」
「は、はい」
思わぬところでSランクの人達とつながりができたのはよかったかも
彼らは実戦経験豊富だから勉強になるかもね