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魔王の王1

 それは魔物の中から突如生まれた

 魔物たちはそれが王だと感じ膝ま付く

 しかしそれはそんな魔物たちを喰らいつくした

 自分には何もいらない

 ただ渇く。どうしようもないほどに

 それは生まれてすぐに意志を持っていた

 純粋に邪悪な意思を

 全ては自分の楽しみのための贄で、自分以外に価値はない

 そんな中自身の面白い能力に気が付いた

 地面に残るかつての記憶、そして意志

 それらと土を混ぜ合わせることによって、その意志を残した者を甦らせることができる

 最初の内こそまともに動かない土くれしか作れなかったが、作れば作るほどにその制度は増していった

 始めは動物からだった

 それが段々と大きくなり、人間へ

 だが人間ともなると自我を保つことが難しく、すぐ崩れていった

「面白くない」

 それはそこから死した人間を甦らせることに躍起になった

 作っては崩れ、また作っては崩れを繰り返していたが、数百体を超えたあたりから、自我を保ったヒト族を甦らせるに至った

「ここは、僕はあの時魔物にやられて死んだはずなのに」

 それはかつて冒険者だった青年

 自身の手を見て不思議そうに首をかしげる

 だがすぐさま彼は土くれに戻された

「はは、成功だ」

 それが頭をつぶして再び殺したのだ

「うんうん、まだまだ成長するな。私の力は」

 それからそれは魔王を甦らせ始めた

 また最初は体を保つことすら難しかったが、それでも回を重ねるごとに力は強くなっていく

 とうとう魔王は暴れ出せるほどになった

「フフ、面白い面白い」

 そこからそれは自身のことを魔王の中の魔王と自認した

 さらに、またさらにと魔王たちを甦らせ続けるそれは、この世界に意志を残した中で最も強いと思われる魔王の残留思念を見つける

 それが月の魔王ルニアと呼ばれる別世界の魔王だった

 だがルニアの復活は結果失敗に終わった

 相手の力が強すぎるとそれにも制御できない

 そのことが分かっただけでも行幸と、それは再び他の魔王を甦らせ続ける

 時には太古の魔王と呼ばれる、ヒト族に好意的な魔王たちもだ

 楽しい、たのしい

 それはワクワクしながら自身の力を高めていった

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