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猫の力9

 翌日私達は荷物をまとめて次の街に行くために、早朝に馬車に乗り込んだ

「ターナーさん、この先は魔物も出ます。子供達をこちらの馬車へ」

「ああそうだな。俺も護衛に加わる。フィオナ、メアリー。二人は特に帝国に狙われてもいる。魔物との戦いの混乱に乗じて帝国がお前たちを攫うとも限らん。この真ん中の馬車に乗ってくれ」

「お母さんとお父さんは?」

「一緒に乗るから大丈夫だ。ウィル、俺の娘も頼んだぞ」

「ああ任せといてくれ」

 任せる? ウィルさんって戦えるのかな?って思って鑑定してみた

 なななななな、なにこれ・・・

 元王国騎士団長ウィル・ディケルス!?

 えーっと、魔物との戦いで左足にけがを負ってから戦えず、一戦を退いて、それからアルト村で余生を国からの支援で過ごす・・・

 え、待って、アルト村ってもしかして

 私はアルト村という単語を調べてみた

 アルト村

 戦争や魔物との戦いで国を守った英雄たちが余生を過ごす場所

 長らく続く英雄たちの村

 現在は戦えない者が多い

 こんなこと歴史書や資料には描いてなかった

 多分静かに暮らせるようにって配慮何だと思う

 やたら足を引きずってたり、古傷を抱えてる人がいるなぁとは思ってたけど・・・

 ウィルさんの足、もしかしたら治せるかも

 ターナーさんの腕だって治せたんだし

 それどころか村の人達みんなを治しちゃえばいいんじゃない!?

 新しい村に着いたらそうしよう


 馬車に乗ってから数時間後、魔物が現れた

 興味本位で覗いてみると、馬鹿でっかいトカゲみたいな魔物がたくさんいた

「岩トカゲか、いい肉が手に入りそうだな」

 うげぇ、あんなの食べてたんだ・・・

 いやそう言う偏見はもうやめよう。私だって魔物になったわけだし、ワイルドに食べるにゃ

 岩トカゲが走って向かってくるけど、騎士たちやターナーさんにあっさりと斬り伏せられている

 あれだけいた岩トカゲはあっという間に倒されてしまった

 そいつらから肉と皮を剥ぎ取って袋に入れて行く騎士たち

 どうやら彼らの袋もアイテムボックスみたいな、異空間に収納するみたいな袋らしい

 すごい、ガンガン吸い込まれていく

 

 魔物を倒してから暫く進むと宿場町に到着した

 到着時間は昼少し前くらいかな?

 今度は質素な村みたいな宿場町で、五十人も泊まれるのか不安になるくらい

 でも大丈夫だった

 ここ、元々テント形式の宿場で、人が増えればその都度テントも増えて行くスタイル

 すでにテントは用意されてるね

「俺たちはこっちだ」

 今度は一家族に一つテントが用意されてるみたい

 私達は緑色のテントだった

 結構大きなテントだね

 荷物を置いてさっそく何か食べに行くのだにゃ

「腹減ったな。よしフィオナ、あっちに川があるからそこに行くぞ」

「え? う、うん、川?」

「行けば分かる」

 ターナーさんに連れられて行った川では釣りが行われていた

「ここでは釣った魚をその場で焼いて食べれるんだ。魔物もいないから安心して釣れるぞ」

 他の人が釣った魚を見てみると、アユに似てた

 いやアユなんて焼いたやつしか見たことないし、しっかりと生を見たことないから正確にアユってわけじゃないんだけどね

 すでに焼いて食べてる人もいた。香りが食欲をそそるよ

「ほら、これが竿だ。これにこの虫を付けてっと」

 うわ、見なきゃよかった。虫きもちわるい・・・

 でもフィオナちゃんは器用に虫を付けて川へトポンと放っていた

 そしてあっさり釣れる魚

「お、うまいな。よし俺も」

 ターナーさんも上手かった

 入れ食い状態で次から次へと魚は連れて、私達が食べる分が十分に確保されると、その場で焚火を起こして焼き始める

 だんだんと香ってくる焼き魚のいい匂い

 ジュルリ、たまりません

「ほら焼けたぞ。ミアもほら」

 焼けた魚を取り分けてくれる

 そして私は魚にかぶりついた

 うっまあああああ!! 塩ふっただけなのに美味しすぎでしょ!

 骨もパリッとして美味しい。頭ごといけちゃう

「おいしいね!」

「んな!」

 フィオナちゃんもこれには大満足なご様子

 そんなこんなでお昼ご飯も終わって、夜ご飯まで私は周囲を探索することにした

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