魔王との戦い58
同じ町にある巨大ビル
国王はもちろんマキナさん
フルネームだとややこしいのでマキナさんでいいや
マキナさんに謁見
まあ一度会ってるから特に問題もなく会えたんだけど、さすがに針の魔王は警戒されてた
マキナさんはまったく警戒もせずに興味深そうに見てるんだけどね
「ふむふむ、まさか魔王自体がここまで間近に来るとは思いませんでした。ほーほ、ふむふむ、あーなるほど、ほおおお、お、うーむ、うんうん、おほほほ、ほぇええ」
「何じゃこ奴は、人をじろじろ見て、失礼であろう」
「あ、ごめんね。いいよ、あなたのために家を一軒と、毎日の生活に困らないくらいのお金をあげる。さすがにお世話まではできないけど、自炊くらいは自分で出来るでしょう?」
「おお、話が分かるの。わらわは死して蘇った身。第二の生はせめて人の役には立とうと思っておる」
「嘘じゃないみたい」
「ええ、私からも彼女が嘘を言っていないことは分かります。だから許可したんです」
どうやらこのマキナさんにも特殊な目があるみたい
マーキナやマリオンちゃんのレーダーとは違うのかな?
あ、そうそう、マリオンちゃんはビルの自室でエネルギー充填中だよ
食べ物だけじゃ彼女たち機械人はフル充電できないからね
「さて、これでわらわもこの国の住人。どんな敵からもこの国を守って見せようぞ」
「うん、ありがとう。それで、あなたって名前があるの? 文献にも針の魔王としか残っていないけど」
「む、そうじゃったな。名前はあの勇者にしか名乗っておらなんだ。我が名はキヌイじゃ」
「オッケー、キヌイさん、これからこの国のために尽力してね」
「うむ」
その後とんとん拍子に彼女の家などが決まった
一応魔王と言うことは隠して、この国が気に入った強い鬼人ってことで落ち着いたよ
見た目が鬼人に似ていたことも幸いしたね
「ありがとうのお主ら。お主らに出会えたおかげで、わらわは償える。あの勇者のように人々を守れる」
この魔王、いや、もう人と言っていいかな
この人はかつての金冠の勇者のおかげで人を慈しむことを知ったみたい
これなら大丈夫そうだね