魔王との戦い53
「デデデストロイウィウィウィッシュ」
「マリオンちゃん！！」
これはまずい
マリオンちゃんは自身の力に飲み込まれてる
「でで、デデデスススススス」
めちゃくちゃな動きでロボを破壊しようと動くマリオンちゃん
「マリオンちゃん！ 力に飲まれちゃ駄目！」
フィオナちゃんが叫んでマリオンちゃんを止めるために剣を振るう
「デストロイ」
フィオナちゃんは剣でその拳を受け止める
だけど剣はバキョッと砕けてしまった
「そ、そんな・・・。私の、聖剣が」
フィオナちゃんの聖剣セイヴハートはこの世界にない神鉱石という物質で作られている
この世界で最も硬い鉱物のオリハルコンなどとは硬さも柔軟性も違う
それをあっさり砕いてしまったマリオンちゃん
「デストロイ、デストロイ、目標を、破壊する」
ロボはすでに動かなくなっているのにマリオンちゃんは破壊を辞めない
それどころか標的をこちらに変えて迫って来た
「一撃でも貰ったら恐らくそこの魔物と同じように砕け散りますわ！ これが、彼女の勇者としての本当の能力ですのね？」
なるほど、潜在能力ならマーキナと比べ物にならないっていうのは、この力のことかな
でも完全に力に飲まれて暴走してる
「マリオンちゃん！ 正気にもどって！」
みんなでマリオンちゃんに呼びかける
「ぐ、くぐぐ、で、デスト、ロイ」
なんとか制御を取り戻そうとしてるのか、マリオンちゃんもギリギリと体をよじったりして抵抗しているみたい
これなら
「マリオンちゃん！！」
「ふっ、ぐ、ぎいいい！」
マリオンちゃんは必死に自我を取り戻そうと頭の中で戦ってる
そして
「う、ぐ、はぁはぁはぁ、制御、出来ました！」
デストロイモードのままマリオンちゃんの表情が戻って来た
「破壊」
その時突如ロボから声が聞こえた
なんとロボは自己修復を終えて立ち上がっていた
「破壊、破壊、破壊ぃいい！」
ロボの拳が私を狙って振り下ろされた
その拳を間一髪で避けると、地面が粉々に砕けた
「まさか、私の破壊を、コピーしたの！？」
これは、かなーり厄介なボスだよ・・・
