魔王との戦い44
普通ならここまで上手くいくと調子に乗りそうなものだけど、そこがこのマリオンちゃんのちゃんとしたところで、全く油断せずに冷静に対処していく
複数の目があるのか、死角から来た魔物までをも対処できていた
「どうですか? 私、ちゃんと戦えていますか?」
「ばっちり! むしろ私達よりすごいかも」
「えへへへ」
照れてる姿がめちゃくちゃ可愛い。妹にしたい
出て来る機械蛇やら機械トカゲやら、さらには機械蛙に機械亀
ここは爬虫類や両生類系統の機械獣が出るのかな?
この中でも一番面倒くさかったのが機械亀
こいつらの甲羅はミスリルという硬い鉱物で出来ていて、レーザーブレードでも少し傷がつく程度
あまり数はいないけど、こいつがいるだけで苦戦を強いられた
「硬い敵にはこうです!」
左腕が変形してバスターのような形状になった
そこから超高温の炎が吹きあがる
「バーンウィッシュ!」
炎の塊が亀に直撃すると、なんとドロドロに溶けてしまった
「ミスリルを溶かしちゃうって、どんな火力してるんだよ・・・」
マリオンちゃん、一人で一騎当千
一層よりも魔物の数は増えてるけど、割とあっけなく最奥に来れた
二層のゲートキーパーのような機械魔物
それは大きな機械ヒドラだった
頭が数百ある大きな蛇の魔物
それがヒドラ
それをモデルに作られたと思われる機械ヒドラ
多分頭を斬っても再生すると思う
「皆さん手出しはしないで下さい。私一人の力でどれだけできるかやってみたいんです」
「頑張ってマリオンちゃん!」
「フフ、猫ちゃんに応援されるとがぜんやる気がでますね!」
そういうとマリオンちゃんの体がガシャンガシャンと変形し始めた
「アタックモード、ウィンド」
マリオンちゃんの背中から翼がガシャーーーンと伸びる
そして手からビームブレード、足は針のようにとがる
翼は生えたけど、羽ばたいて飛ぶわけじゃなくて、ジェット飛行するみたい
機械ヒドラは多数の首から炎を吐いてマリオンちゃんに攻撃を開始したけど、あまりにも早く飛ぶからとらえきれない
「ウィンドウィッシュ!」
風の刃が機械ヒドラの首をいくつか切り裂く
明らかに上級の風魔法よりも威力が高い
あんな硬そうな機械部分を簡単に斬り裂いてるんだもん
ただ、やっぱり切り落とした頭部分からガシャンガシャンと新しい頭が出来上がる
「むぅ、ナノボットが組み込んでありますね。壊しても内部から小さなロボットが再構築してるんです」
私以外は何を言っているのか分からないって顔
まさかナノボットもあるとは思わなかった
目に見えないほどの小さなロボット
それが機械ヒドラの体を再生してるってことか
「まあそれならそれで対処方法はいくらでもあります。モードチェンジ、アタックモード、サウンド!」
空を飛ぶのをやめて着地
そこから翼がスピーカーに変わる
「サウンドウィッシュ!」
キーンと言うノイズのような音が出たかと思うと、機械ヒドラがグネグネと暴れ始めた
めちゃくちゃに暴れるけど、マリオンちゃんはその暴れをうまく躱してる
そして機械ヒドラの体から何か黒い塵のようなものがポロポロと落ちてきた
「超音波で内部のナノボットを破壊しました!」
そしてスピーカーがしまわれる
「モードチェンジ、フレア!」
ボウボウと燃え上がるマリオンちゃんの体
そしてそのままロケットのように突っ込んだ
火だるまになる機械ヒドラ
やがてドロドロと溶けて、機械ヒドラは動かなくなってしまった
この子、結構万能型かも