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猫の力7

 フィオナちゃんとメアリーが街を探索している間、私は護衛として分体猫を二人につけて、この街にある本屋へ向かった

 図書館はないみたいだから本屋さんってわけ

 お金は一応あるのよね

 私、お使いとかできる系猫だから、少しお小遣いもらってるんだよね

 金貨一枚!

 これなら欲しい本も買えそうだよ

 この世界の本一冊の相場は銀貨一枚から高いものになると金貨数枚とかになる

 銀貨一枚は千円くらいなんだけど、この世界での千円って半月分くらいの給料なのよね

 とか考えている間に着いた

 本屋さんは二軒あって、一軒は図鑑やら歴史書やらが乗ってる本を扱ってて、もう一軒は文学小説や物語などを売ってある

 図鑑やらなんやらは副都の図書館で全て網羅したから、物語を読みたいのよね

 前世ではそう言う本をいっぱい読んでたから、この世界の物語がどんな感じなのかがぜん興味があるわけなのですよ

 というわけで私は本屋の中を見て回り、目についた本を数冊買うことにした

「まあ猫ちゃん! お使い? 偉いわねぇ」

「んな!」

 お金を払って本を包んでもらい、背中に背負うと人気のない場所までやってきた

 そこで本を開いてパラパラ読み始める

 よくある児童文学や絵本のようなものらしく、挿絵もいくつかついていた

 勇者エリオンの冒険、奇術師ハルイオン第一巻、ドラゴンの秘宝、呪霊女王トガツメヒメの軌跡

 トガツメヒメ・・・。なんか日本的な響きだにゃぁ

 もしかしたら昔にこっちに転生してきた人がいたのかも

 さてまず勇者エリオンの冒険から

 これは実際の話が元になったもので、今でも語られる勇者の冒険譚ってわけだ

 魔王が出てきて、その反存在の勇者が生まれる

 勇者は仲間と共にその魔王をやっとの思いで打倒

 勇者エリオンは国を築き、初代エリフラン王国の国王となり、聖女フランシアと結婚して幸せに暮らしましたとさって話

 エリフラン王国はかなり大きな国だったはず

 このバララスラ王国の同盟国でもある

 エリオンは初代勇者とも言われていて、およそ数千年前の人だ

 魔王もその頃にいきなり現れて、神様の加護を受けて生まれたエリオン

 なかなかに興味深い話だった

 次は奇術師ハルイオンの話

 これはエリオンの何代かあとの勇者で、勇者ながらに奇術師とも呼ばれている

 ハルイオンがドラゴンの秘宝を手に入れたという最初の冒険譚

 ハルイオンは性別不明らしくて、男性なのか女性なのか分からない

 全10巻の長編で、最初の相手がドラゴンだったって言うから驚きだ

 歴代最強と言われる勇者にして奇術師ハルイオン

 取りあえずは一巻を読んでみたけど、想像を絶する面白さだった

 よし、続きもまた買おうっと

 最後に呪霊女王トガツメヒメの軌跡

 名前が明らかに日本的な響きだったから買ってみたんだけど、彼女は数百年前から今でも生きている? いや死者だから死んでるんだけど、呪霊国家サミダレの現姫らしい

 トガツメヒメはかつてヒノモトという国から突然現れて、魔物に間違えられながらもたくさんの人々を助け、やがては自身の国家まで持ってしまったという、呪霊というヤバそうな存在なのに、人々の信頼厚いヒト?らしい

 冒険譚は笑いあり涙ありの一喜一憂できるもので、いつか彼女に会ってみたいと思ったよ

 

 本を読んでたら夕方になったので私は宿に戻ることにした

 一応ちゃんとフィオナちゃんたちの様子をみていたし、ターナーさんがどこに行ったのかも把握してるけど、その情報は後で精査するとしますか

 今は何よりおなかが、へった・・・。ポン、ポン、ポン

 どこからともなく脳内に響く小気味いい音とともにカメラアングルが切り替わってる気がする

 さて、今日はどんなご飯だろうかねぇ?

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