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猫の力6

 ビレイに着いてからまず宿へ

 馬車から必要最低限の荷物を降ろすと大きな宿屋へ向かった

 宿屋って言うよりまるでホテルだね

 馬車の方は安全なところで管理されるみたい

 護衛騎士さんたちは別の宿屋へ行ってしまった

 村人全員が同じ宿屋に泊まれるなんて思わなかったよ

 この街小さいけど、旅人や、冒険者なんかもよく来るみたいだね

 鉱山街だから鉱石目当てらしいよ

 取れるのは鉄鉱石がメインみたいだけど、地球では考えられないくらいに硬いクリスタルやら、魔鉱石って呼ばれる魔力のある石もとれる

 魔鉱石は様々な効果を持つ武器に加工できるっていう定番素材

 これぞ異世界

 地球みたいに物理法則じゃない別の法則で成り立った世界か

 まあ今鉱石関係は私達に関係ないし、とっととご飯を食べるのです

 朝ごはんにパンとスープを食べてからここまで水しか飲んでないのよね。お腹へったー

 宿にも一応食堂があったけど、ターナーさんがおすすめの食堂があるとかでそこに行くことにした

 あ、村人全員で行くわけじゃないよ

 いきなり五十人もの大所帯が来たら店も大混乱するしね

 もちろん行くのはターナーさんと私、それからフィオナちゃんに、メアリー家族

「すまないなターナーさん、なんか連れてってもらってばっかりで」

「大丈夫だウィル。俺が連れて行きたかったんだ」

 実はこのメアリーの父ウィルさん、ターナーさんとフィオナちゃんの事情を知ってる

 ていうか村の人達みんなが知ってる

 英雄ターナーはそれほどに認知度の高い人で、次代勇者であるフィオナちゃん健やかに育てるために皆知らないふりをしてたってわけなのよね

 まあ皆そう言うことを話さないから、鑑定でなんとなくわかったことなんだけど

 だってみんなのステータスに秘密を抱えし者ってのがあったから気になるじゃない

「ここは岩塩を使った岩トカゲのステーキが上手いんだ」

「い、岩トカゲだって!?」

 うんうん、トカゲなんてもの普通たべないよね

「高級食材じゃないか!」

 にゃんですとぉおおお!!

 高級食材・・・。異世界ワカラナイ

「ああ、だがここではよく取れるから価格も高くない。銀貨一枚でおつりがくるぞ」

「それはすごい!」

 いや銀貨一枚でも普通村人にとってはお高いはずなんですがね

 村の資金源が何なのかいまいちはっきりしないのよね

 畑はあるけど自給自足用だったし、特に特産があるわけでもないし

 謎の村だよアルト村

 食堂に入ると岩トカゲのステーキを注文する一行

 一セット銅貨八枚だった

 普通は銀貨三枚はするらしいよ

 注文から十分ほどで運ばれてくる岩トカゲのステーキ

 見た目は本当にただの肉、牛肉に似た感じかな

 私にも味付けされてないお肉が用意された

 猫舌も加味してちゃんと冷ましてあるやつね

「はむっ、おいしいいい!! お父さんこれすごくおいしい」

 おふっ、フィオナちゃんためらいないね

 まあでもあれだけおいしそうに食べてるってことは、ゴクリ

 うん、食べよう

 ムシャァ

 ムグムグ・・・

 うっまあああ! 何この柔らかさと濃厚な味! 臭みなんて一切ないよ!

 脂身なんて蕩ける!

「うまいだろう? この街に来たら俺は必ずこれを頼む」

 全員が大満足の末、食堂を出た

 ターナーさんは何か用事があるとかでどこかに行ってしまったので、私とフィオナちゃん、そしてメアリーで街を探索することになった

 そこまで広い街じゃないし、そこかしこに街の自警団やら王都からの衛兵が派遣されたりとかで、人さらいとかの危険もない

 帝国が侵入してくる以外は治安よすぎるのよこの国

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