表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/488

白い鬼と黒い鬼5

 気配はない

 アンノウンはこの世界から消え去ったのだろう

 二人はそう判断してはいるが、妙な胸騒ぎがするため出来る限り自分達の目で世界を回り、本当に大丈夫なのかどうかを確認する

 自分たちの探知や感知能力は直感などもあるため、通常のものとは異なる

 そのため、探知や感知ではとらえきれないようなモノでも直感や感覚だけで特定することができる

 この双子の鬼神はそれほどに研ぎ澄まされており、どんなアンノウンでも今まで取り逃すことがなかった

「お姉ちゃん」

「ええ、気配はない。でも確かにある」

 二人が来たのは帝国

 すでに街が破壊されており、まるで存亡した国のようだが、そこには人々の活気があった

 この帝国はプロフェッサーと呼ばれるナニカに支配されていたのだが、勇者の活躍もあり、現在は様々な国からの支援によって復興が着実に進んでいた

「ここがあのムがいた場所。よもや取り逃がしていたなんてね」

「しょうがないよ。世界が生まれるより前から存在してたやつだもん。それだけしぶとかったってことだよ」

 プロフェッサーはかつて力ある者達の活躍によって一度は滅んでいた

 しかしながら核を切り離していたおかげでなんとか逃げおうし、この世界で人間の体を乗っ取り、自らの力を取り戻そうと画策していたのだった

 本来プロフェッサーは無、ムと呼ばれる古きモノ

 世界の始まりより前から存在し、それだけに力も強かった

 そしてムの一番の楽しみが、人間や知性ある生物が争い、苦しみ、嘆き、悲しみ、怒る姿を見ること

 この世界で滅ぼされていなけらばまた全ての世界に危機が訪れていたことだろう

「次世代もかなり育っているわね」

 プロフェッサーのような全ての世界に悪影響を及ぼすような存在

 それらに対抗するために生まれ始めたのがハクラ達を筆頭とした次世代と呼ばれる存在

 その世界を救うだけにとどまらない存在

 それがたまたまこの世界には生まれていた

 その偶然のおかげでプロフェッサーを完全に滅ぼすことができた

 二人はそんな状況に安堵しつつも、プロフェッサーを倒しきった存在にも気づかれることなく潜伏していたアンノウン達に少し恐怖を覚えた

 二人は復興中の帝国をゆっくりと歩きながら見つつ、決して尻尾を掴ませないと隠れているアンノウンを探した

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ