魔王との戦い29
燃え上がるメグロノアは流動する体を動かして街を燃やし続けてる
このまま被害が拡大すれば街は壊滅しちゃう
「みんなで一斉に魔法・・・。いや、だめね、水魔法をあんな高温の体に当てたら水蒸気爆発が起きちゃう」
メグロノアはかなり大きい
もし水蒸気爆発が起きれば、たとえ足せたとしても街を壊滅させる被害が起きる
魔物たちがいる地区はすでに避難が完了してはいるけど、これほど大きな魔物、何が起こるか分かんないし、安全には考慮しないと
「じゃあどうやって攻撃すれば?」
「物理攻撃は少しは効いてるみたいだから、ちょっとずつ削って行くしか」
私は必死で考えを巡らせた
せめてもっと人手があれば・・・。猫の手も借りたいとはまさにこの、こと・・・
「そうだ! そうよそうだよ。なんで思いつかなかったんだろう」
フィオナちゃんたちが何事かと驚いている中、私は魔力を練り始めた
私の切り札、そして最大の能力
これこそ今の状況を覆せる力
「行くよ! 皆来て! 猫猫大召喚!!」
空中にたくさんの魔方陣が現れて、そこから大量の猫、猫魔物、猫獣人や猫精霊にケットシーだの、とにかく今まで出会い、私と契約してくれた猫たちが現れる
「やっと呼んでくれたわね! 待っかせなさい、このオシバナお姉さんにね!」
「あ、姉さん、でっかいのがいるよぉ」
「あんたはそこで見てればいいじゃないホネガミ」
私の横に着地した二匹
女の子の猫がオシバナで、気弱な男の子がホネガミ
二匹は私が最初に契約した猫なんだけど、私が進化した影響なのか、二匹とも猫妖精になっていた
「さぁ行くわよお前たち!!」
「ニャアアアアア!!」
オシバナの掛け声で一斉に鳴く猫たち
さすが姉御肌のオシバナ
しっかりと統制をとってくれてる
そして猫たちは一斉に攻撃を開始した
猫妖精になったる猫たちが中心となって、氷魔法で周囲を氷点下まで冷やしていき、風魔法で真空を作って燃える部分の火を消していく
考えたね、これなら爆発は起こらない
「やっちゃえお前たちぃ!」
オシバナの号令で猫たちが一斉にメグロノアにとびかかって、体中を切り裂いて小さくしていって、最後には何も残らなかった
メグロノア、体を削り落とせばその落した部分はドロドロに溶けて消えちゃうのよね
ともかく猫たちのおかげで何とかなったよ
でも、これ、この魔法、私の力を猫たちに分けちゃうから、もう魔力が、からっぽ
「ミアちゃん!?」
オシバナの声が聞こえたけど、私は深い眠りに落ちた