表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
196/488

白い鬼と黒い鬼4

「見えた! あそこだよお姉ちゃん」

「ハクラも探知が上手くなったわね」

「テヘヘヘ」

 仲睦まじい双子

 姿は顔が似ている以外双子とは思えないが、二人は正真正銘同じ日に生まれている

 そんな二人はアンノウンを追って今度はインセクトイドと呼ばれる昆虫人たちの国に来ていた

 昆虫人はその名の通り昆虫の獣人のようなもので、魔法は不得意だが、その強力な肉体を使っての格闘呪ちゃ武器術に優れている

 特に硬い外骨格による格闘術は、一撃て巨大な岩を粉砕するほど

 ハクラ達が元居た世界にも、彼らと同じインセクトイドがいたため、驚きもせず彼らを見る

「普通に生活してるから、まだ問題は起きてないのかな?」

「そうみたいね。とりあえずアンノウンを排除しましょう」

「うん」

 インセクトイドたちが住む巨大樹木がそびえ立つ広い森

 その木々に住処を作り、蜂のようなコロニーを形成している

 彼らは女王政の形態をとっており、男性型と女性型がいるが、女性が主体となって生活している

 男性の方は子育てなどにいそしんでいるようだ

「あ、あれじゃないかな?」

 ハクラが指をさす空間の歪

 そこから何やらとてつもない悪意のようなものを感じた二人は、急ぎ歪を開いて中へと入った

「いた」

 中に入ってすぐいたのは、繭の上に乗った人型になったゴキブリのようなモノ

 それはハクラ達を見ると敵意をあらわにした

「グギギギギギギ!!! グギャアアアアアアアアアアアアアア!!」

 虫の鳴き声に不協和音を加えたような叫び声に二人は思わず耳を塞ぐ

「これはかなり危険なアンノウンね」

 繭の中には恐らくアンノウンが産んだ卵が内包されていると見抜くクロハ

 これが孵ればこの街の住人を食い尽くす危険なアンノウンが大量に生まれるだろう

 繭を守るゴキブリのようなアンノウンは繭の上から飛び降りると、ハクラの背後に一瞬で回った

 相当なスピードだったが、ハクラはそのスピードに簡単に対応して振り向くと、どこからともなく二刀一対の刀を抜き、切り伏せた

 右手に持つのは身の丈よりも大きな大剣、左手に持つのは小太刀

 大剣を肩にどしっとかけると、さらに大剣で斬り、小太刀で刺し、斬り、刺し、斬り、刺し、それが繰り返させることで回転し始める

 丸のこのように回転したハクラはアンノウンの体を何度も何度も傷つける

「かった! 硬すぎるよ!」

 刃こぼれこそしないものの、ハクラはアンノウンのその硬さに驚愕する

「ハクラ、離れて!」

「うん」

 クロハの声で飛び下がるハクラ

 そこにクロハが真っ黒な炎を打ち込む

 妖術と仙術を混ぜた力で、相手の魂ごと燃やしてしまう非常に危険な力

 それはアンノウンを包み込むと塵になるまで燃やしてしまった

「あとはこっちの卵ね」

「私がやるよ」

 ハクラは繭に手を付けると、そこから絶対零度の氷の力が流れ、内部の卵ごと繭を凍らせ、パキーンと粉々に砕いた

「これで終わりかな?」

「気配はもうないけど、念のため世界を見て回りましょう。ここまでアンノウンが発生する世界もめずらしいし」

「うんわかった!」

 二人は空間の歪を直すとインセクトイドの国から去って行った

 インセクトイドたちは何も気づかず、そのまま日常生活を続けていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ