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異世界人11

 最初に目撃証言があった場所、精霊国の一つであるオアルティミシアの王宮

 そこに真っ白な姿の何かが突如現れて消えた

 目撃したのは王宮勤めのメイドの一人

 その一人しか目撃者はいなかったが、本人の証言によると、ゴーストなどではなく、明らかに実体があったそうだ

 それに、この精霊国は精霊達によって魔物が入れない

 ゴーストが入り込む余地が一切ないのだ

「それはなんだか優し気な雰囲気でした。まるですべてを慈しむかのような、そんな目をしていた気がします」

 目撃者はまるで恋する乙女のようにその何かについて語る

 メイドの女性は一目見ただけでその人影に夢中になってしまったようだ

「精神操作のような異常はないな・・・」

 持たされた機器を使って調べてみるが、彼女には一切の状態異常はない

 つまり正気なのだ

「背丈は十歳の子供くらいでした。神聖な、清らかな、そんな魔力、そして私では推し量れない力を感じました」

 結局分かったことは、その何かの身長と、目の色くらいだった

「さて、次はっと」

 次の目撃があった場所へと飛ぶデュース

 彼はアンジュほどではないが、空間の力での長距離転移ができる

 隣国くらいなら一度の空間移動で飛べた

「さて、次はサミダレか。あそこの姫さん苦手なんだよなぁ」

 彼はオカルトなど怖いものが大の苦手だった

 苦手なだけでトガツメヒメのことは人?として尊敬はしている

 

 サミダレに着くなりたくさんの霊に囲まれた

「やめろって! お前らほんとうに底意地が悪いな! 怖がる人間見てたのしんでんじゃねぇ!」

 誰彼構わず怖がってくれるデュースは、彼らにとっては最高の獲物であり遊び相手だった

「失礼しましたデュース様、こちらへ」

 付き人兼勇者であるアラマキが慌てたように霊達をかき分けてデュースを救い出す

「ほらお前たち! 客人にイタズラを仕掛けるな馬鹿者ども!」

 彼女は呪霊ではあるが、見た目は血色の悪い人間と変わらない

 そのため彼女ならデュースもあまり怖くなかった

「ありがとうアラマキさん」

「いえ、主殿がお呼びです。件の白い影について」

「さすがトガツメヒメさんだ。話が早くて助かる」

 アラマキの後をついてトガツメヒメの居城へと向かうデュースだった

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