表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/488

魔王との戦い9

 でも見たところ特に異常はなさそう

 風で波が少したってて、たまに魚がピチャンと跳ねてるくらい

 私は湖の水辺に近寄って水を飲み始めた

 ハッ、つい飲んじゃった

 なんか恐ろしく自然に飲んじゃった

 でもここの水、ものすごくおいしい!

 軟水っていうのかな?

 喉ごし爽やか!

「おいっし!」

 思わず声が出る

「ああ、ここの水は皆飲み水として使ってるくらいに綺麗だからね。それに魔力も通ってるから、体調もよくなるよ」

 温泉の効能みたい

 でも確かに、なんか元気でたかも

 もう少し飲もうとまた水辺に近づくと、どこからともなく歌声が聞こえてきた

 なんだろう、なんだかとってもいい気持ち

 私はその声に誘われるかのように湖面に向かって歩いて、段々と体が沈んでいく

「ミア!」

 フィオナちゃんが慌てて私を抱え上げる

「はれ? え? 私何してたの?」

 何だか頭がボーっとしてて、自分でもどうなったのか分からない

「ミア、大丈夫? なんだか変よ」

「んと、これ、なんだろ、催眠みたいな感じが」

 まだはっきりとしない頭で自己分析してみると、何かの催眠にかかってるのが分かった

 その効果はまだ続いていて、フィオナちゃんに抱えられてなかったらそのまままた湖の中にダイブしちゃいそう

 でも私は妖力を体内に流して、その催眠を解いた

「ふにゃ! 私を操ろうなんてとんでもないことしてくれるじゃない! どこのだれ!」

 私は湖に向かって吠えた

 すると湖の中からぬるりと、ドロドロに溶けたかのような化け物が現れて、ニタニタ笑いながらこっちを見た

 その目を見てるとまた、私は湖の中に飛び込みそうになる

「これ、やばい、こいつ、の、歌、聞いちゃ駄目、目を、見ちゃ駄目」

 私はそれだけ言って、湖の中にぼちゃんと飛び込んでしまった

 なんとか力を振り絞って水中で息ができるように鰓呼吸にするための妖術をかけた自分を褒めてあげたいよ

 霞がかかったかのような意識の中、私はその化け物に抱きしめられて、湖の奥底へと引きずり込まれて行った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ