神様
「と言うわけなのじゃ。まさかまだ生きておったとは思わなんだわ」
「しかしバステト姉様、あれはかつての戦いで花たちが消滅を確認したと」
「恐らく自身の分体を様々な世界に振りまいていたのでしょう。今のところ確認できたのはその一体だけですが、他にも暗躍している可能性はあります」
「あれはしぶとい。なにせ無から生まれたのだからな」
バステトを含め、様々な世界、様々な宗教、まさに八百万の神々が集まり、バステトによるプロフェッサーの報告を聞いていた
「それとじゃ、アンノウンがうちにも現れた。あれは早急に駆除しなければならぬ」
「そうですね。あの子を向かわせましょう。対策もわかってますから」
「しかしそれはシルフェインがキレ散らかさぬか?」
「あの子もわかってくれるでしょう」
一番リーダー格とみられる男神が何やら目を閉じ、誰かにメッセージを送っているようだ
「ええ、そうです。あの子の力なら・・・。いえですからねシルフェイン・・・」
そこで会話は途切れた
「だめでした。全く、娘を溺愛しすぎなのですよシルフェインは」
「仕方ないですよ。あの子の娘はあんなことがあったんですから。鬼神を呼びましょう」
「白黒か。あの二人の実力なら問題ないだろ」
神々の話し合いは決着を見せたのか、その白黒と呼ばれる鬼神をバステトが管理する世界へ派遣することが決まった
それからしばらくして、神の集う神界にて、真っ白な着物を着た少女と、真っ黒な着物を着た少女が転移によって現れた
「ここも久しぶりだねお姉ちゃん」
「そうね、でもあまりはしゃいでは駄目よ」
「うん」
二人はそのまま神々のリーダーの元へ行くと、依頼の内容を聞いてニヤッと笑った
「こういうのも久しぶりだね」
「そうね、体がなまってなければいいのだけれど」
「お姉ちゃん、毎日鍛えてるんだからそれはないでしょ」
二人は任せてと神々に手を振ると、バステトの世界へと降りて行った
「あの見た目で我々より強いのだから、つくづく鬼神は計り知れないわね」
「しかし可愛いのぉ。あの白いちっこいのは」
「狙ったら黒の姉に殺されますよ」
「それもそうじゃの」
神々は二人に任せれば安心だと、アンノウンというナニカについての会話を打ち切り、世間話を始めた