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勇者10

「ホォオオオリィイイイ!! スタァアアアア!! クラッシュゥウウ!!!」

 帝国に突如降りそそぐ無数の剣

 それらはすでに崩壊している街にズガズガと刺さる

 幸いにも人々はすでにいなかったため被害者はなかったが、復興を開始しはzめていた街がさらに酷い有様に

「何事だ!」

 復興の手伝いに来ていた異世界人たちが慌てて現場に駆け付けると、緑色の小さな少女がキョトンとした顔でこちらを見ていた

「君はまさか・・・」

「あ、あれ? 皆無事、なのだ?」

「街は無事じゃないけどな! こらワサビ! お前はまた状況も見ずに! あれほどちゃんと周りをみなさいと!」

 そこに現れたのは、ワサビと同じ緑色の髪を持った女性

「あ、ああ」

「ほら、おいでワサビ」

「お母さん!!」

 ワサビを助けてくれた両親

 二人共無事だったようだ

「お母さん、お母さん、無事でよかったのだ。ぐすっ、ぐすっ」

 今まで必死で鳴くのをこらえていたのか、涙がぽろぽろと溢れて止まらない

 そんなワサビをぎゅっと強く抱きしめる母親

「よかった、勇者も生きていたみたいですね」

 そう声をかけるのは異世界人同盟幹部、セイコ・アスミ

 日本からの転移者で、その力は通常時はアイドル

 自分に好意を持ってくれる人たちに力を分け与える能力なのだが、彼女にはもう一つの人格がある

 レイコと自ら名乗るその人格にも力があり、その時の彼女の力はザ・スター

 彼女を応援すればするほどに力が増し、どんな魔法でも撃つことができるようになる

 そんな彼女は今復興を支援している異世界人たちに力を与えて、復興をより早く実現させようとその力をフルに利用していた

「ともかくだ。君の勇者としての力はこんなとこで使っちゃ駄目だろ」

 セイコの横に立っていた少年、エルム・ナイトは呆れたようにため息をついた

 彼はセイコの仲間で、彼自身の力も仲間に力を分け与えられるクイーンオブハートという力だ

 ただ彼の場合は一人の女性に対してしか発動できない

 そしてその相手は、意中の相手であるセイコだけと心に決めているようだ

「さて、復興再開です。ワサビちゃんも疲れたでしょう? ご両親とゆっくり休んでくださいね?」

「うん! ありがとうお姉ちゃん!」

 こうして帝国の勇者も元通り帝国へと戻って来た

 彼女はまだ旅に出るには幼いため、しばらくは帝国で暮らすことになるだろう

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