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帝国十二覇人終

 アリュエナは故郷の地で男性と抱き合っていた

 男性の名前はドミトリ・ラーゾリア

 前皇帝に変わり次期皇帝となることが決まっている皇子だ

 二人は元々幼馴染であり、帝国がおかしくなる前は恋仲になっていた

「ドミトリ、よかった。よかったよ」

「すまないアリュエナ、僕が操られてたばかりに、君には苦労を掛けた

「いいんだ。いいんだよ。ドミトリが無事だったから、私は嬉しいんだ」

 帝国はこれからゆっくりと元のよい国に戻って行くだろう

 犠牲は多かった

 元に戻れた民は確かに多かったが、それでも様々な国に放たれ、魔物として処理されてしまった民はもう戻っては来ない

 それでも帝国民たちは強く立ち上がる

「復興は他国も協力してくれるらしい。クピトとラーナにはそのための大使として飛び回ってもらってるよ」

「そういえばバンは?」

「ああ、あいつなら今朝旅に出た」

「え!?」

「今回じぶんが操られたのは精神が鍛えられてなかったからだってさ。あいつらしいよ」

「確かに」

 二人はそう言って笑い合う

 そこにはかつて平和だった帝国の姿があった

「さて、これから忙しくなる。僕の隣で、一緒に帝国を復興させてくれるかい?」

「もちろん!」

 

 数日後

 帝国に戻って来たラーナからの報告

 粘菌の魔王マシュルド復活

 これはまだ復興を開始したばかりの帝国にとってはまたも起きた問題

 粘菌の魔王マシュルドはかつて、帝国付近の森で大量発生した、猛毒の胞子をまき散らすキノコの発生源

 解毒薬や解毒魔法が効かず、一度毒に侵されてしまえば数日のうちに死に至り、体から同じく猛毒のキノコが生える

 それによってかつての帝国の民の約三分の二が死に絶えた

 当時の勇者の一人、死毒のコーザという男が唯一その毒を解毒できる能力を持っていたため、なんとかなった魔王だが、現代にその勇者はすでにいない

「く、一難去ってまた一難とはこのことだな」

 ドミトリはすぐに対策をうつため、アリュエナと共にかつての資料のある資料室へと向かった

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