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転生者29

 あっという間に到着したのはとある海域

 ここはマーメイド族が漁をしている海域で、そこにある時から大ウミヘビが住み着いてしまった

 魚を食べつくすだけじゃなくて、マーメイドも襲われたり、護衛のマーマンも歯が立たないほど巨大で、鱗が固い

 魔法も通さないため、まずは自ら引き上げて、水によって強化されている体をどうにかする必要があるらしい

 ここで役に立つのがカリュフの海流を操る力だね

 彼が水中から大ウミヘビを引きずり出して、私達で倒すってわけ

「俺が水の上に土台を作っからよ、そこに立ってくれや」

「おっけー」

 クォロンが水の上に足場を作り出す

 ナニコレ便利

 そこに立って私達はカリュフが大ウミヘビを海流で海面に飛ばしてくれるのを待った

 しばらくした後、海が激しく波打つ

「ひぃいいいい!! ちょ、ちょっとちょっとちょっと! 大きすぎるわよあれ!」

 メアリーが指さす方向に大ウミヘビらしき尻尾が見えたんだけど、多分まだ一キロくらい先

 水平線の彼方のはずなのに、その尻尾はあまりにも大きかった

「来るぞ! 構えろ!」

 水中から足場に飛び上がって来たクォロンとカリュフ

 その直後、海流で飛び上がった超巨大なウミヘビが姿を現す

 こっわ! ものすごい形相のヘビの顔!!

 顔だけで島くらいありそう

「出たなアヤカシ」

「アヤカシ?」

「ああ、俺たち妖怪族はあそこまで育った大ウミヘビのことをそう呼ぶんだ」

 大ウミヘビ、個体名アヤカシ

 古くから長く生きてきた大ウミヘビが妖力を得て妖獣化したもの 

 魔獣とは異なって魔法類は使えないけど、妖術は使える

「初めてやったけど出来たよ僕!」

 アヤカシがこっちに攻撃を仕掛けようとする中喜んでいるカリュフ

 そして

「まだまだいけそう!!」

 カリュフが指をクイッと上に向けると、海流がまるで槍のようにアヤカシに突き刺さる

「こいつは驚いた。やるじゃねぇか我が弟分はよぉ!」

 魔法すら通さない硬すぎる鱗の鎧をいともたやすく貫いてしまう海流の槍

「もういっちょ!」

 槍は今度はなんと竜の姿に変わる

 まさに海流ならぬ海竜!

 それは大きな大きな咢をもって、アヤカシの頭に噛みついて、噛み砕いてしまった

「ハァハァ、やった! 兄さん、僕やったよ!」

「おうよ! お前はやればできるやつだからな!」

 うんうん、本当の兄弟じゃないらしいけど、兄弟愛だねこれも

 兄弟愛・・・。兄弟・・・、あれ? ん? んん? んんんんんんん??

 カリュフのチャイナドレスがしぶきで乱れて、そこから覗く小ぶりな・・・

「えええ!!? 女の子!?」

「は? そりゃそうだろ。どっからどう見ても可愛い女の子だろうが」

「え、だって弟分って」

「ああ、そりゃ俺が弟分って言い方が好きだからだ!」

「なにそれ」

「あ、だから僕のこと君付けで呼んでたのか。まぁ僕も僕って一人称だから、勘違いされても仕方ないよね」

 そっか、女の子っぽいじゃなくて女の子だったのね

 クォロンがちゃんと上着をカリュフに被せてるあたり、ちゃんと妹として扱ってるのが分かる

 結局カリュフがアヤカシを一人で倒し、無事自信もついたみたい

 これ私達必要だったのかな?

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