転生者26
水の都ベルティアの大多数が水中生活をする種族で、その中には妖怪族のミズチ族と言うのもいるみたい
水中に街があるのはもちろんのこと、水上にも都市が築かれてて、観光業で発展してきた美しい所
首都はここだけど、他に街が三つほどあるだけの小国なんだけど、海に面したこの国では水中生活者の大多数が住んでる
その人口およそ二百万人
さらに水上都市に暮らす人々を合わせると二百五十万人にも達するんだって
まあサミダレとか大きな国に比べたらそこまで多くはないけど、それでも十分大都市だと思う
依頼に関する詳しい話は現地でその転生者さんに聞くことになってる
どんな人なんだろう?
「楽しみだねミア」
「うにゅ!」
「おおお! ゴンドラだよ! ゴンドラに乗って入るんだ!」
大興奮のエルヴィス君
「落ち着きなさいよエルヴィス。ゴンドラくらいで騒がないの」
そう言うメアリーはまっさきに乗ってちょこんと座ってる
そしてワクワクとした表情でキョロキョロしてた可愛い
みんな乗り込むと、ゴンドラはゆっくりと動き出した
船頭さんがいるわけじゃないのに勝手に動いてるんだけど、どうやら魔法で動いてるみたい
便利だねぇ魔法は
ゴンドラはゆっくりと進んで水門を抜け、街の中へ
「おお、おお~」
その美しさに皆めを輝かせる
街並みはすごくきれいで、ゴンドラに乗る人々意外に、水の中を走るように優雅に泳ぐ水中生活をする亜人達
彼らもすごくきれい
マーメイド、マーマン、おお、あれがミズチ族だね
ミズチ族は蛇の下半身を持ったマーメイドみたい
ラミア族に似てるけど、妖力を使えるからまた別の種族だよ
そしてゴンドラは勝手に進んで、ギルド前へ到着
別に指定したわけじゃないのにちゃんと目的地に着くなんて、この魔法かなりすごい
ギルドの方は水上と水中に入り口があるみたいで、水上には水中呼吸ができない人たちが。水中にはもちろん水中生活者達がいる
ここの冒険者は半数以上がやっぱり水中生活者達で、主に海に関する依頼を受けおってる
海に魔物が出て漁ができないから退治してくれとかね
さて、まず受付で話を聞かないとね
「おやぁおやおやおや、あなた達は勇者ですねぇ。はい、聞いてますよぉ聞いてます。あなた方にぃ、依頼したいのはぁ、当ギルドの筆頭、Bランク冒険者にして転生者のクォロン・クーロンさんですぅ」
このお姉さんなんかクセがすごいにゃー
でも筆頭冒険者が私達に依頼?
ってことは、十中八九訳ありだこれ