異世界人7
「報告ありがとう皆・・・。危険な場所に行かせたのは軽率だった。僕が出るべきだった。君たちが無事で、本当によかったよ」
険しい顔のケイジは心底安心し、無事に帰還した仲間たちに礼をした
「幹部を全員呼び戻してほしい。これはもう国同士の諍いじゃない。彼らは完全にやっちゃいけないことをしたってことだ。僕達の仲間を攫ったのもそうだけど、無関係の、何の罪もない人々を殺戮した。そしてそれは今なお続いている」
ケイジは見ていた。その全てを、彼らの悪逆を
ケイジの力は目
目に関する力ならどんなものでも、想像した力でさえ使うことができる
千里眼によって世界中を見渡し、ひとたび戦いに身を投じれば様々な魔眼を駆使して戦う
ほとんどオールラウンダーと言ってもいいほどの力を要するケイジ
それ故に彼は普段事務仕事のような雑務ばかりをこなしていた
強すぎるから
「ケイジが、キレてる・・・」
「本気のこいつを見るのは久しぶりだな」
その場にいた全員が身震いする
数時間後、アンジュによって集められた異世界人同盟幹部たち
彼らは誰もかれもが一人で国を相手取るほどの力を秘めている
そして彼らは全員が怒っていた
仲間を傷つけられ、むこの民をいたずらに殺戮した
いくら何かに操られているとはいえ、もうすでに限界点に達していた
彼らは今誰もが燃え上がる炎となっている
「じゃあ、一気に行くわよ」
「ああ、君は到着し次第すぐに帰還を。危険だからね」
「わかったわケイジ。気を付けてね」
「ああ」
ケイジを筆頭に十人の幹部は帝国へと転移した