転生者22
隣国だったから馬車で半日ほどで到着、バジュラス獣王国
ここにもたくさんの獣人さんが!
天国?
こっちの方はやっぱり男性と女性が半々くらいかな?
兵士さんも男性が多い
それでね、国に着いたとたんに兵士さんたちに囲まれて敬礼された
「え、なになになに?」
驚く私達をよそ眼に、兵士長らしき雄牛の獣人さんが話しかけてきた
「勇者様ですね! レティア様からお話は伺っております。復活魔王を倒していただけたそうで、我らの姉妹国を守っていただき感謝いたします」
おお、話はもう伝わってたのね
彼らは皆私達に感謝の言葉をくれた
「是非我らが王にお会いください!」
カシュバンの街並みによく似たこの国の王都
王城も同じような様式で建てられてる
その王城へ案内された私達
はたから見ると兵士たちに連行される幼い冒険者たちに見えちゃうから、周りの人たちが変な目で見てるのがちょっと恥ずかしい
十分ほど広い道を歩いてたけど、道の端にはたくさんの露店が並んでて、ついついキョロキョロしちゃうね
そして到着した王城
そこにいる獣人の兵士さんや騎士さんは、まさに歴戦と言えそうなほど屈強!
でもモフモフ、モフモフなのよ!
羊の獣人さんも筋肉のうえにもっふもふの白い毛並みがあって、綺麗な上にいい匂いがした
そんな感じで感嘆しつつも王様の元へついちゃいました
「おおお、君たちが我が従妹の国を救ってくれた勇者たちだね。ありがとう、本当に感謝してもしたりない」
おお、おっきい、すごく大きなカラスの獣人さんだ
綺麗な漆黒の羽に顔をうずめたい。なんて思ってたらいつの間にか私はレイブン王の胸に顔をうずめていた
「あ、えと、ごめんなさいつい」
「ハハハハ、君のことも聞いているよ。喋る猫と言うことは猫精霊なのかね?」
「いえ、私は猫妖怪です」
「ほほう、猫の妖怪。私もかつて冒険者をしていたが、妖怪には会ったことがない。妖怪族はかなり遠い土地に住んでいるからね。それにしても可愛い猫さんだ」
良い人でよかった
ふつうなら不敬罪でしょこれ
「ミア! もう、いつの間に。ごめんなさい王様」
「ハハハ、よいよい。して勇者殿。君たちに頼みたいことがあるのだが、聞いてはもらえないだろうか? 内容を聞いてから判断してくれて構わないから」
断ってもいいってことかな?
「聞かせてくださいまし」
そしてレイブン王からとんでもない話が飛び出したのですわ