帝国十二覇人7
命を受けたオプサリスは一人、ドーラルード共和国へと来ていた
ここには主の力を回復させるために必要な異世界人が数人暮らしていた
彼らはこの国の平和維持をする代わりに、衣食住を提供されている
異世界人の数は三人
リーダーのパリス・フジミヤ
高飛車な性格だが、弱き者を守るために全力を尽くせる少女
アメリカ人と日本人のハーフで、フジミヤ姓は父親のもの
能力はスーパープロミネンス
怒れば怒るほど燃え上がり、高温に達し、周囲を焼き尽くす能力だが、普段は周囲を焼かないよう抑えて、ファイアボールのように扱っている
二人目はケイトリン・ファティマス
仲間たちからはケイトと呼ばれる気弱な少女
その能力は危機感
危険をいち早く探知し、その危険な相手に合わせて自らの身体能力を増すことができる
気弱な性格だが、パリスと同じく人を守るためにはその力を使って守りに徹する
三人目はドリシア・エイジェル
実を言うと三人の中で最も強い能力を持っている男勝りで、一人称が俺の少女
能力はザ・カイザー
有無を言わせず命令を聞かせられる力
その力は自らに発することもでき、とんでもない力を得たり、本来魔力がなく、魔法が使えないはずの彼女が魔法を使えるようになったり、死の淵からでも復活できるなどと言った本当のチート能力
彼女はこの力を自らの欲のためには使わない
ヒーローが好きだった彼女は、彼らと同じく人々を助けるかっこいいヒーローに憧れているからだ
性格はそれぞれ違うが、人を守るという点において、彼女たちは気がって常に一緒にいる親友となっている
そんな三人の一人、ドリシアがいきなり顔面を拳で殴られ、顎をつぶされて吹き飛んだ
下顎がなくなったため、カイザーの力が使えなくなる
慌てふためくケイトの背骨が蹴り砕かれ、彼女も動けなくなった
そして、目の前で親友二人を襲われ、突然の恐怖に失禁するパリスの手足が地面に落ちた
三人は生きてはいるものの、全員が能力を使えなくなった
パリスは恐怖により心を壊され、ケイトリンは危機感すら発せず身動きすら取れなくなり、唯一動けるドリシアだが、下顎がなくなったことでカイザーの力を出せずに二人を助けれない自分の無力さに涙した
「ミッション完了。帰還する」
オプサリスは三人を雑に縛り上げると、飛び去ってしまった