転生者8
カチカチカチと音が聞こえる
この先に何かいる。のは当然として、何の音なんだろう? カチカチ山?
「変な音がするね」
もうすぐでその正体が掴める
次の開けた場所には女性が一人立っていた
髪は乱れてて、小刻みに震えている
そして、こっちを、見た
「駄目、目を伏せて!!」
危険な目だ。あれは呪い
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
なんて悲鳴
怖い怖い怖い怖い
「あれは、もしかして、サミダレ国にいるって言われてる、呪霊・・・?」
ひえ、それってかなりヤバいんじゃ
ホラー映画でよく見てたからわかる
呪いを振りまく霊、呪霊
これはお祓いとか除霊とかで倒せるようなものじゃない
下手をすれば取り憑かれて、殺されてしまう
「ホーリー!!」
メアリーが聖魔法で攻撃
でも呪霊は手でバチンとそれをはじいてしまった
「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!! 一旦離れて!」
もし捕まれば呪い殺されてしまう
ダンジョンってこんな危ないのがいるの!?
この世界での呪霊はサミダレ国の姫、トガツメヒメに全員従っているらしい
そのためか、呪霊たちh普通に人間との会話もでき、一種族として認められてもいる
でも時折こういったはぐれの呪霊がいるんだけど、もし呪霊が目撃されたらサミダレ国に報告がいき、トガツメの女霊たちによってトガツメヒメの元へ連れていかれる
そこから姫の力によって精神状態を生きていたころに戻されるというわけなのです
そんなのなんでダンジョンにいるのよ!
「ど、どうにか倒せない?」
「む、無理だよぉ。呪霊は魔法も物理攻撃も効かない。辛うじてダメージが与えれるのがオンミョウって力だけど、そんなの使えないでしょ?」
エルヴィス君よく勉強してるなぁ
そうか、オンミョウ。つまり陰陽道のことか!
それならなんとかなりそう
私の力に修験道がある。これは陰陽道の元になった力
つまり使えば使うほど、この力は陰陽道に近づくってわけ
「私に任せて!」
「ウアアアアアアア」
こっちにゆっくりと近づいてくる恐怖
怖いけど
「修験道その一! 発破砕!!」
ボンッと呪霊の目の前で弾ける大きな炎
「カァアアアア!!」
おお、ダメージがあったみたいで怒ってる
「その二! 鬼風!」
ヒュゥと優しい風が流れた直後、暴風が呪霊を襲い、風の中に閉じ込めて切り裂いた
「その三! 鬼啼!」
レベルを段階的に上げて行くことで相手に対応されないようにね
鬼啼によってググッと重力が中心に寄って、閉じ込めていた風ごと圧縮した
それによって呪霊は完全に消え去ってしまった
「ミ、ミア! 手が!!」
まずっちゃった・・・。右前足に呪いを受けちゃったみたい
今はまだ右前足の先っちょがちょっと痺れる程度だけど・・・。このまま進行して心臓にまで達すれば、死んでしまう
この呪いは魔法による呪いとはわけが違う
解呪の魔法じゃ絶対に解けないのよね
これを解くには・・・
このダンジョンが終わってフィオナちゃんの鎧を手に入れた後、行く場所が決まったね
呪霊国家、サミダレだ