旅20
皆黙りこくる
「取りあえず異世界人同盟には私が伝えとく。いつでも連絡できるよう通信機も作ってるし」
「今は考え込んでても仕方ないんじゃないかな? それに、異世界人同盟の人達や、別の勇者たちもいるんでしょ? 僕達だけが戦ってるんじゃない。みんなで協力すればきっとなんとかなるよ」
おお、エルヴィス君いいこと言う
そうだよ。別に私達だけが戦うわけじゃないんだ
「あの、僕はどうしたら・・・」
「あんた人は殺してないし被害もないからさ、私のとこで働きなよ」
「え?」
「あんたこれだけの技術力を持ってるんだから、これからは人のために働きなさい」
「許して、くれるんですか?」
「まあね。でもまた悪さするなら、私が絶対許さない」
おっふぅ・・・。こっわ
何その鋭い眼光
ユニさんサバサバして楽観的そうに見えるのに、キレると何するか分からない怖さがあるね
これにはマーセルもたじたじ。と思ったけど、なんか恍惚とした表情になってる
この二人、案外いいコンビになるかも
新たな情報を手に入れて、私達はこの街を出る
ユニさんとマーセルが手を振ってるんだけど、横でマーセルがむせてた
ユニさんにはすぐにでもお風呂に入ってもらうよう言っておいたけど・・・
「僕が説得するから大丈夫」なんてマーセルも言ってたし、任せておこう
そして私達はその日のうちに街を発つ馬車に乗り込んだ
相変わらずギガホースは大きくて可愛いにゃー
次に行くのはこの国の王都、マーヴィルですよ
マーヴィルはこの街ほど発展してるわけじゃないけど、それでもユニさんの技術は普及してるみたい
王都だけあって大きさはこの街と同程度かそれ以上という
観光地でもあって、機械と古い街の融合した面白い街並みらしい
うん、がぜん興味がわいてきた
でもまあ観光よりなによりまずは王様に謁見したいと
この国に勇者はいない
バララスラは周辺国との合同勇者でもあるのよね
つまりフィオナちゃんはいくつかの国を背負ってもいる
こんな小さな肩に重責が乗ってるとなると私もその責任をしっかりと肩代わりしてあげないとって思うんだ