表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女物語  作者: 夜行
第二幕
49/90

第四話

 懸念があるとするならばもう一つ。それはこれから向かう場所が教会だということだろう。自分は魔女なので教会は敵でしかない。命を狙われるかもしれない。しかし、それは問題ではない。それは当たり前のことだ。


 しかし。


 しかしながら、サクラはどうなのだろうか。サクラは魔女の子だ。それが教会に知られたら人間でも人間としての扱いは受けないだろう。そうなった時にサクラは傷つくのではないだろうか。自分一人なら教会相手でも立ち回る事は可能だ。でも、サクラがいたらそうもいかなくなってくる。


 果たして守れるだろうか。


 リンドウとリリーの子供を。

 命をかけて守らなければならないと思ってはいるが、現実がそんな甘くない事も知っている。自分一人では不安だ。シェルはおそらく板挟みになる。判断が鈍る可能性がある。その一瞬が取り返しのつかない事態を招く事があるのは事実だ。


 あと一人。


 あと一人味方がいてくれたら――。


 しかし、自分に味方などいただろうか。他の魔女との接点など皆無に等しい。そもそもこの数十年、魔女と会っていない。それほどまでに魔女の数が激減している。


 魔女狩り。


 いったい何人の魔女が命を落としたのだろう。自分もいつか捕まってしまうのだろうか。


 ここでふとある魔女の顔が思い浮かんだ。悪くはない思考だ。ここで思い出すという事はこれから係わりがあるのかもしれない。そうなったら心強い。

 その魔女の顔を思い出しながらロゼはぽつりと呟く。


「どこにいるんだろうな、師匠」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ