表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女物語  作者: 夜行
魔女物語2
40/90

第十八話

 町を目指して歩く。

 正直なところ、夜でも歩こうと思ったら歩けるだろう。しかしそれは危険だ。この三人なら危険はないかもしれないが、それでも可能性はゼロではない。そんな危険をおかして本来の目的が達成できなければ意味がない。目先のことよりも最終目標を重視する。それが旅を続けるコツだろう。


「……なかなか着かないね」


「……そうだな」


「……おかしいですね。もう着いてもいい頃合いなんですが」


 三人とも違和感が出始める。

 何かがおかしい。

 そんな事を感じていると町が見えた。


「あっ。ついたよ!」


 違和感はどうやら思い過ごしだったようだ。安堵のため息をついた時にそれは確信に変わる。


「……ローレン、だと?」


 それは町の名前だ。それを見てシェルだけが驚愕する。


「どうしたシェル司教殿。あれが目的の町ではないのか?」


「司教様?」


 シェルは町の看板を見ながらゆっくりと口を動かす。


「……私たちが目指していた町の名前はギルリアという町です。そして……ローレンとは私が十日ほど前に寄り、出発した町の名前です」


「なんだと?」


 サクラはどういうことだと首をかしげる。


「ん? んん? それってつまり?」


「つまり、私たちはいつの間にか逆戻りをしていたわけです」


 惑わされた。

 全員がそう理解した。

 サクラが言っていた通りだ。旧アルヴェルトへ行こうとすると、たどり着けない。いつの間にか違う道へと誘われている。


「ん~。まぁ作戦成功?」


「まぁ、目的は果たしたが。なんともやる気がそがれる」


「……今ははたして何日なんでしょうね」


 いったいいつからだ?

 いつから惑わされていた?

 あれからどれほどの時間が経過している?

 全員が惑わされた。魔女と司教と魔女の子が惑わされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ