Lolita《004》
???「・・・今は対応中ですか。では皆様、あのうるさい女が来ないうちにゆっくりとお読みください。」
その後街中を一通り歩いたが既に多くの店が閉まっており、ほとんど見ることができなかった。
「お兄、ごめんね...私が寝ちゃったから。」
「いいよ、元はと言えば俺が遅れちゃったんだから。お、あの宿なんかどう?」
その言葉に慰められつつもメイが兄の指をさした方向を見るとそこには《INN》という看板がぶら下がっており、それを見つめると視界に《君と寝る夜》という文字が映し出された。
お兄曰く、このゲームでは看板とかに目を向けるとその内容が視界に映し出されるようで、実際にその文字に目を向けると下に金額、特徴が表示された。もし邪魔な時は消えろと念じると消えるらしい。
「そうだね、今日の夜メニューは揚げ物って書いてあるしここにしよう!」
「メイならそういうと思ったよ。揚げ物好きだしね。」
「うん!」
そう食べ物に釣られたようにその宿屋に入り受付をすませると直ぐに夕食を食べに行った。そのメニューは本当に揚げ物で、天ぷらや唐揚げが大盛りででてきた。その多さに驚いているとエプロンを来た妙齢の女性が、今日は特別だよ!、と言ってきたのでお兄に詳しく聞くと今日は《来訪祭》というイベントのようで旅人の来訪を歓迎する祭りらしい。
その内容は1000lin支給、売店数増加、レアドロップ率増加などがあり、その中にはこの宿屋の食事ボリューム増加ということらしい。それを聞いてますます悪いことしたなと落ち込むと口に強引に唐揚げを突っ込まれ、そんなしょんぼりするな、明日また楽しめばいいじゃないか、と言われうんと元気よく頷くとガツガツと揚げ物を食べ始めた。
「ふいー、お腹いっぱいだよ。」
「相変わらずだね...このゲームは現実の腹と同期しているんだけど。」
「だって食べても太らないんでしょ?じゃぁ食べなきゃ!」
「ははっ。まぁメイがそれでいいのならいいよ。」
その二人の目の前にはあれほどあった揚げ物が無くなったさらが鎮座していた。ちなみにメイが8割、兄が2割だ。その光景に周りで食べていた者たちも目を見開き、新たな王者が現れたかと期待に満ちた目で見ていた。
その後その視線から逃げるように自分たちの部屋(もちろん2人部屋だよ)に入るとお兄から早速レクチャーを受けた。
「それじゃぁ、いまからお兄の講習会を始めるよーー!どんどんぱふぱふー。」
「ふぉぉぉ!どんどんぱふぱふ!」
そんな一言から始まった何とも危なげな講習会はお兄が私に色々と教えてくれるために用意してくれた。お兄はよく掲示板を見るようで色々と情報を持っている。
私は...めんどくさいから読まないの。てへっ?
「まずは...ステータスからかな。メイ、今は身内間だからいいがおいそれと自分のステータスを他人に見せては行けないよ。後でとてもめんどくさい事になりそうだからね。」
「うん、分かった。自分の裸を見られると同じことみたいな?」
「まぁそれで合ってるよ。まぁ俺になら...。」
「ならお兄にも見せるのは嫌だなー、なんと言ったって裸を見られちゃうんだしー。」
「ぐふっ、それはあくまでわあくまで例えだから!」
「ふふ、冗談だってー。」
その冗談は心臓に悪いから止めてくれと兄は叫びたかったが自分でまいた種であるだけに何も言えなかった。もし他の者にこんな冗談をつかったら少し説教しなきゃいけないが、今は置いておくことにした。
「んん、それじゃ見せてくれるか?」
「いいよー。・・・どうやってみせるの?」
「えっとね、その吹き出しの右上に歯車があるからそこ押してみて。」
「あ、あった!それとこれだね!・・・はいどーぞ!」
そしてその吹き出しをお兄に見せると直ぐにその目を見開きえっ?とこちらを2度見してきた。その様子にいえいと笑顔とともにダブルピースで返し、誇らしげに胸を張った。
「メイ...やっぱり運がいいね、いつも通り。」
「へへーん!」
その様子にお兄はため息を吐くとまたその吹き出しを見つめ直した。その様子にもうちょっと褒めてくれても、と思ったがお兄の性格上しょうがないなと諦めて大人しくその横に座って待つことにした。
「よし、こんなものかな。それじゃぁメイ、いまからこのゲームの常識...というか、システムを話すからよく聞いてね。」
そう言ってお兄が話してくれた内容を自分なりに重要だと思った順にまとめると...
・この世界の時間軸と現実世界の時間軸は異なり、この世界での一週間は現実世界の7時間らしい。
・この世界のNPCのAIは充実しており、生きていると言っても過言ではないらしい。
・お兄の言うことはよく聞くこと。
・この世界のアップデートは頻繁に行われるようで、ゲーム内時間で3週間後、つまり現実の一日の終わり頃にに行われるらしい。その合間はゲーム内に入れず、その時間は3時間。一日の始まりに終わるらしい。
と長々と語ってくれたが一度で全てを覚えられる訳もなく後で紙に書いて渡して貰えるようにお願いした。全ての内容を覚えていられるお兄は凄いと改めて思い知らされる場面であった。
「テストはあれなのにな...。」
「・・・何か言ったかい?めーいー?」
「あ、いたい!痛いから!グリグリはやめてー!」
ついうっかり思ったことが口から出てしまいお仕置きを受ける羽目になってしまった。
「ふぅ...あと俺のも見ておいてね。見せてもらったのにフェアじゃないからね。」
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「明日来 四季」name:フォーズン
〈種族〉魔光族
〈種族位階〉Rank.1(00/05)
〈運命位階〉Destiny.001
〈Str〉7
〈Vit〉8
〈Dex〉11
〈Int〉16
〈Agi〉6
〈保有スキル〉
召喚《虫》Lv.1 後続召喚Lv.1 支援魔法Lv.1
万屋生産Lv.1
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そう言ってステータスを見せてもらったがは、自分のように竜のような興味のひかれる文字も無かったのですーと流し読みで済ませた。その様子にお兄ががくんと項垂れていたので可哀想かなと唯一興味の出た種族の部分を指で触れた。
するとピコンという音ともに吹き出しの真横に新たな枠が浮かび上がり、そこにはその名前の詳細が書かれていた。
このシステムもお兄から聞いたものでステータスの部分を指で触れると詳細が開けるらしい。
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〈魔光族〉
魔族が光神の導きを受け、魔神の元から離れた者達のことを指す。その導きの効果か魔の属性が薄まった分光の属性が濃くなっており、行動しだいでそれは濃くも、薄くもなる可能性を秘めている。
《特性》
+Int +Dex +光属性 +導き −魔属性
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ほほう...と思い自分の種族と比べてみると
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〈ゴーレム族(改良)〉
従来のゴーレム族の体組織が圧縮され、密度がより高くなった。その分体外に体組織が露出し、行動に支障をきたすことがある。だが体外の体組織は武器にもなり相手を貫くことができる。
《特性》
+Vit +体外組織自己再生 −行動障害
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「お兄、これってあのお姉さんがやってくれたのかな?」
「お姉さん...俺はお兄さんだったけど、それとこれって言うのは種族のこと?」
「お兄はお兄さんだったんだね...うん、なんか新しく作られた感じがするから。」
「それなんだけどね...このゲームで能力を決めてもらうとそれに習って種族が改変されるらしいんだ。メイや俺みたいにね。」
「ふーん、それも掲示板ってところから?」
「うん、その通りだよ。」
ここて、後で掲示板見ようかなと思わずには居られなかったのはしょうがないだろう。
「それじゃそろそろ寝ようか。あ、それと基本的にメイと俺の二人だけで活動していきたいのだけど...それでもいい?」
「別にいいけど、生産とか...あ。」
二人で活動することはともかく消耗品とかはどうするのだろうかと思ったが先程のお兄の能力を思い出し納得がいった。
「そゆこと。父さんに鍛えてもらったこの頭脳で卒無くこなしてみせるから任せてね。」
そしてゲーム一日目の夜は過ぎ去って行った。
???「ふぅ、やっと終わった...って、もう物語終わってるじゃない?!」
???「仕方ありませんよ、仕事ですから。」
???「はっ、どうせ貴方はここで暇してるだけぎゃ!?」
???「・・・。っと、これは皆様失礼致しました。それよりも此度も作者より伝言を承っております。
まずは読者の皆様。見ていただき、更には評価も頂きありがとうございます!また、文字数多くして欲しいなどご要望が御座いましたら感想をお願いします。
それでは引き続き、読者の皆様、またはこれから読むという方々。これからも、よろしくお願いします。
との事です。」
???「私からも、よろしくお願い致します。」