Lolita《001》
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『ゴミは全て殲滅だぁっ!ヒャッハーー!!』
ダダダダダダダダーー
ゴオオオオオォーー
「どうだ芽依誘!この圧倒的なシーンはっ!」
「ふぉぉぉぉ!!」
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「そう...あの時お兄があれを見せてくれたから今の私があるんだよね。」
ズドドドドドドーー
そう言って少女は引き金を引く...その銃身からは目にも止まらぬ速さで小さい玉が発射され、目の前にいる汚物を駆逐する。
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「まぁ、僕はあのシーンの方が...」
「にぃに!これ、これこの男の人が使ってるのなんていうの?!」
「ちょっとは兄にも言わせて...これはね...なんて言うんだっけ...?」
「むー、にぃにの役たたず!!」
「ぐはっ。」
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「あの時はちょっと悪いことしちゃった...かな?でも、あれはお兄が悪いんだ、私に薦めといて忘れるんだもん!」
ゴワァァァァァァーー
そう自分の兄を罵倒しながらも微笑み、少女は引き金を引く...
その銃身から吹き出た赤黒い炎は目の前の汚物、少女の敵をやき尽くす。
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「芽依誘、あのズダダダって音を出してるのが機関銃、赤いのを出してるのが火炎放射器って言うんだよ。それと四季、もうちょっと覚えなさい...まったく。」
「うっ...お父さん。」
「パパ!!」
そう言って少女の面影を残した女の子はパパと呼ぶ者の腰にひしっと抱きつき、そのお腹に顔をぐりぐりと押し付けた。そしてその女の子の後ろにいる男の子は注意されたことにしゅんっと落ち込みつつも、歩いてその男性に近づいた。
「まぁそんなことは今はいい!元気にしてたか二人とも!」
「うん!パパが帰ってくるまでいい子にしてたよ!」
「僕も...ちゃんとしてた!」
「それは良かった!父さん嬉しいよ...しくしく。」
そう言って男は満面の笑みで二人を抱き、そばに寄らせた。
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「あの時って、確か心配しちゃったんだっけ...今思ったら嘘泣きだなんてすぐにわかるのに!【フルオープン】」
先程の弾幕を抜けてきた者達の目は獣のように血走っており、その元凶である少女へと歩みを止めるどころかさらにスピードが上がった。そんな少女の年ぐらいの子が見たら恐怖で竦み上がる光景を少女は熱い目線で一瞥し、一言呟くと両方の銃がプシューと真ん中から煙を出しながら開き、上下に銃身が分かれた。
片方の二つに分かれた銃身の間に魔法陣が、もう片方には赤い光が収束し始め、そこからはとてつもない強大なエネルギーが感じられた。
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「そうだ芽依誘。お前はあの男みたいな感じが好きなのか?なかなかお前の年頃だときついと思うんだが...」
そう言う父親の言葉はとても正論だ。禿頭にちょび髭の生えたオッサンを好むとなると自分の娘だけあって将来が不安になる。
「ううん、あのごみはせんめつだー!って言って敵を倒してるのがカッコイイの!はぁ、私もやってみたいなー...」
「そうか、まぁいつか叶うよ...この時代だからね。」
「うん!」
「僕も...僕もあのセリフを...ふっふっふっ。」
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「あれはパパと二人でなんだか分からない視線で見てたっけ...気持ち悪かったなー。ふふっ。」
そう言うと脳裏にぐふっと息を吐き出すお兄の様子が想像できた。
「それじゃ、そろそろおしまいにしようかな。敵さん達、ありがとうね。」
それは一体何に対してだったのだろうか...
経験値になってくれてありがとう?戦いに付き合ってくれてありがとう?それはそんなことじゃない。
ただただ...
「楽しませてくれて。それじゃ...ゴミは殲滅だー!」
ドゴーーーーーーン!!
そう言って空中に跳び上がり、地面に向かって銃身に赤い光が収束された銃の引き金を引いた。すると地面に向かって赤い光が解き放たれ、着弾すると地面が下から爆発した。その瞬間に銃身に魔法陣が浮かび上がる銃の引き金を引くと魔法陣からは拡散した銃弾が地面を覆い隠すように発射された。先程の爆風によって空中に吹き飛んだ敵に所狭しと発射された銃弾が降り注ぎ地面に叩き落とされるとさらに発射された銃弾のあられが降り注ぎ、その肉体に小さな風穴が無数に空いた。しばらくするとふっと灰になって消えてしまった。
そしてその元凶はまんぞくーと言わんばかりな顔をしながら自分の起こした爆風によって吹っ飛んでいき、そのまま森の奥へと消えてしまった。
???「・・・」