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衣食住を頑張りましょう

お待たせいたしました。現在仕事が忙しい為週に一度か二度程度の配信となります。

 畑を耕し種を蒔き魔法で水を撒いた訳だが、何故か既に芽が出ている。


 しかもその芽がうねうね動いているんだが……


 まぁ、見なかったことにして仕事に戻るか……


 こうして昼まで俺は畑作りを作り続けたのだった。






「おとうさま?もうおひるですからおしよくじにしませんか? 」


 汗を掻きながら畑を耕していると、背後からオイチから声を掛けられる。


 どうやら気が付かないうちにかなりの大きさの畑を耕してしまったようだ。


「もうそんな時間か? それじゃあ屋敷に戻るか……他の子達はまだ戻ってないのか? 」


 オイチの他に誰も見かけないので多少不安になるが、オイチが笑って答えてくれる。


「だいじようぶですよ。もうにかいほどしょくざいをもちかえってきてますから。おひるはごうせいになりそうです」


 くすりと笑うオイチの顔を眩しく見ながら、俺は手を止めて見とれてしまう。


「おとうさま。そんなにみられては、はずかしいですわ。さぁ…はやくやかたにかえりましょう」


 急にワタワタしだしたオイチの姿に我に返ると、俺は鍬から手を離してオイチと一緒に手を繋いで帰るのであった。




 俺達が館に戻ると、他の子達はまだ戻っていないのでオイチと2人で料理をしていく。


 森で取れた山菜は地球のものに似たものが多く、俺はアク取りなどするものを夕食の為に仕込んでいく。


 オイチの方はすぐに使えそうなものを調理しているが、既に解体されている兎のような魔物やイノシシのような魔物はどうやって狩ったのだろう?


「まもののおにくはじゅくせいがひつようありませんからつかいやすくてうれしいですわ」


 俺が見ても熟練の包丁捌きで解体されていく元魔物達を見ながら、オイチの料理は順調に進んでいく。







「ただいま。とうさん」


「ただいま〜おとーさん」


「ただいま。とーちゃん」


「ただいま。カトー」


「あー! あー !」


 大量の森の食材と2m近い魔物の死体を運んで、俺の子供達とカナハが帰ってくる。


「大量の食材ありがとなーみんな。それにしても魔物は一体どうやって倒しているんだ? タロウ以外に戦闘出来る人がいないはずだろ? それにどうしてそんな無茶をしたんだ? 」


 多少説教口調になったのは勘弁してほしい。


 俺よりレベルが上がっているとはいえ、そんな無茶をする子達だと思わなかった俺のミスだ。


 しかし、こうして何体も魔物を殺している姿を見てしまうと無理をしてないか心配してしまう。


「あぁ、それなら私が魔物を動かなくしてから倒させているから問題ないわよ。言ったでしょ? 設定がメルヘンだって。この魔物達に戦う力なんて無いのよ」


 カナハのあっけらかんとした言葉に、俺は頭の中が真っ白になる。


「メルヘン領域だと暴れる魔物や、人に危害を加えれる魔物は発生しないのよ。だからみんなに領域内の森を探索してもらった訳。それに見て見なさい、このボアを。牙も無ければ歯もないでしょう? これがメルヘンの領域の魔物の姿よ」


 カナハに指を指された魔物をよく見てみるが、確かに牙も無ければ歯もない。


 それどころか大きさ自体は大きいものの姿形は本当にうりぼうそのものである。


「これならメルヘンは設定の中で1番生きていく上で良い設定じゃないか……」


 俺は本心でそう言ったのだが、カナハは難しい顔でそれを否定する。


「周りに『敵』がいなければね。この大陸でそんな事はあり得ないの。メルヘンなんて創ってもきっとすぐに他のゾーンマスターの領域に呑まれてしまうもの……弱肉強食の設定が強すぎるからね」


 そう言えば設定では弱肉強食が1番多いんだった……


「だからカトーには、これからゾーンマスターとしての采配がかなり大変になるとは思うわ。出来れば眷属を早めに増やしていきたいわね」


 カナハの言葉に俺はこの世界で知らなければならない事が多過ぎることにまたもや気付かされる事になる。


「カナハ……午後からはゾーンマスターについての話し合いをしよう。このままでは俺達は何も出来ないまま死んでしまうかも知れない」


 カナハの両肩に手を置き真剣に話しかけたはずなのだが、何故か赤い顔で下を向いてしまうカナハ。


 オイチも赤い顔でこちらを見ているし、こどもたちはキャーキャー言っている。


「お、おとうさま。そろそろごはんにしましょう! 」


 オイチの慌てたような催促に、俺は何がおかしかったのか分からないまま、みんなで昼食を食べる事になった。




 今日のお昼は、ご飯に兎型の魔物のテリーヌ、野菜スープに豚の魔物の生姜焼きという大変満足のできる食事となった。


 後片付けはオイチやタロウに任せ、俺とカナハはコジロウをあやしながらゾーンマスターについての話を始める。


「まず覚えていて欲しいのは、ゾーンマスターという職業はこの大陸において神にも似た存在だという事を理解していて欲しいの」


 眼鏡に白衣というどこで手に入れたのか分からない服装を着て、カナハは可愛らしい絵を描きながら俺に詳しく説明してくれている。


「まぁゾーンマスターは魔王の卵のようなものだから当然なんだけどね」




 ……何ですと?








読んで頂き有難う御座います。

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