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プロローグ
「兄ーちゃん!! 早く学校いくぞ!!」
早朝6時に元気よく部屋のドアをぶち壊して兄の部屋に侵入してくるのはいつもの事だ。
「……うるせーよ、先行ってろ。あといちいちドアぶち壊すな。兄ちゃんは睡眠で忙しいだ。おやすみ」
「しょうがないな……だらしねー兄ちゃんは成敗だ!!」
背負っていた布から竹刀を抜くと、とてつもない速さでそれをベットに潜り込む兄に振り下ろした。
バッシーンッ!!!!
「痛ってーっ!!!!」
「おお〜、やっと起きたか。全く、しょうがない兄ちゃんだ」
ハァーっとため息を着いて肩を竦める弟。
「お前馬鹿なの?! 剣道8段のお前が素人の俺相手に本気で何してくれちゃってんの??」
「ごめん兄ちゃん……俺馬鹿だから兄ちゃんが何言ってるかわかんねーよ」
「あーもういいよ、お前がそこまでの脳みそしか持ってなかったのを知っていながら聞いてしまった……
ビュン!!
もう一度高速で竹刀が閃く。
「うぉあ!? あぶねーな、次はなんだよ!?」
「兄ちゃん御託はいいから早く支度して?? 次は割るよ??」
「……はい」
これが天草兄弟の朝の様子だ。