表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rober -奪い続ける者-  作者: 椎葉
第1期
4/51

第4話 【Fantasy】

幻想の中で、生きてきた。

 昨日は色々なことが起こりすぎた。師との出会いに、瑠魂、SEO…。

どれも突拍子もない話だった。

今日は土曜日。のびのびとできそうだったし、昨日の話を整理できそうだった。

    *

 「連続誘拐事件…どうも匂うね」

「ほぼ魂喰いの仕業といっていいでしょう、鍵山さん」

「…」

土曜の朝を物騒なワードを話題にして話す3人組。彼等はこともあろうにSEOのメンバーであった。

鍵山と呼ばれた男は、口の端を歪ませて笑みの形をつくった。

 鍵山智(かぎやま さとし)、40代。このグループのリーダー格だ。

 有原賢(ありはら けん)、20代。グループの中では、新人。態度は新人らしく、鍵山達を慕っている。

 工藤徹(くどう とおる)、30代。無口だが、グループ随一の実力者。

「ここらへんに潜んでるわけではなさそうだね…隣の街の方にも行ってみるか」

「そうですね」

    *

 同時に、動き出すものがあった。

祐が本来通っている東京都C区にある翔良高校(しょうらこうこう)。その学校の地下用具格納庫で、話す複数の人影があった。

「ったく、あいつらもぶっとんだことするよな、自らこっち側に来るとは」

「喰うか?」

「いや、早まった行動は身を滅ぼす。世間も私たちの存在にきずいてきた頃だし。」

「こうなったのも、あいつのせいか…」

    *



 『お母さん、今日のご飯はなにー?』

何故だろう。

どこからか、子供の声が聴こえてくる。

『いただきまーす!』

それはどこかで聴いたことのあるような明るい声だった。それは、何度も耳元でリピートされる。

灰色の空、僕は透明な地面に立っていた。目の前には、テーブル、食事する親子。

ああ、僕もこんな生活が欲しかった。



ぼく?



 気が付いたら、祐は椅子に座ったまま寝てしまっていた。疲労のためだろうか。

夢を見ていたようだ。自分は、食事する親子をただ眺めていた夢…。とても寂しい夢だった。

時計を見る。午前10時。散歩にでもいくか、と靴をはき、ドアを開けて外に出る。

空は曇っていた。雨が降る前に早めに戻ってこようと歩き始める。

 足取りが軽い。雨のためか、街路には人気がない。

突如、いやな臭いが鼻をついた。吐き気が襲うほどの臭いだ。

この臭いは…まさか……!?

臭いのもとをたどってみると、そこは路地裏だった。目の前の角を曲がると、それがある。異臭に怯んだが、進む。


男がいた。背を丸めて屈み込み、こちらに背を向けて何かを弄っている。いや、弄っているのではない。

喰っているのだった。

「ひ…」

人食いの怪物。悲鳴がもれかけた。魂喰いではないのか…?

 男はこちらに顔を向けてくる。気づかれた。

「お前は…」

顔は血で赤く染まっていた。何を言い出すのだろう。恐怖で言葉が出ない。

「翔良の…図書室によくいたやつだな…」

何を言い出すのかと思えば、自分のことを知っているらしい。となると、自分と同じ高校の生徒?


そして次の瞬間、彼の身体を赤い大きな無数の弾丸のような何かが貫いた。

「…………!!」

「喰う」恐怖を知る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ