第21話 【Onslaught】
鮮赤の仮面の内側は――。
(あれは………?)
大ホールを埋め尽くすザクロ。その中央には赤い髑髏の仮面をつけた男が立っていた。
「…………行くぞ」
男はそう言い、立ち去った。
祐はその光景が何故か、焼き付けらられたように頭に残った。
そうだ。自分達も早く師を助け出さなければ。
SEOには勿論、ザクロに邪魔をされなければいいが。
『ストマック』には、約300人程度の魂喰いが収容されている。
果たしてこの中から師を見つけ出すことはできるのだろうか。
駆から貰った資料。『ストマック』にはA~D棟と、モニタールームがあるらしい。
(モニタールーム…………!)
モニタールームに行けば師がどこに収容されているのかが分かるはず。
「みんな!モニタールームだ!モニタールームに急ごう!」
「そこにお前の言う人がいるのか?」
敢が走りながら訊いてきた。
「いや、いないと思う……でも手がかりは絶対にあるはず!」
「分かったッ!」
祐達がモニタールームに向かっている時、『ザクロ』はA棟の収容魂喰い達を開放し回っていた。
(師さんがA棟にいたなら、もう助かっている………?)
だが確率は4分の1。期待はできない。
(急げ…………………)
祐達がモニタールームへと向かっている途中、歩と合流した。
歩にも状況を伝え、皆でモニタールームへと急いだ。
モニタールームには、1台のパソコンと数台のディスプレイがあった。
コンピューター関係は得意だという華憐に操作してもらうことにした。
「え…………?」
「どうした?」
「コンピューターを操作するには操作用カードが必要…?」
「何ッ!?操作用カードだと!?」
どうやらカードがなければ師の居場所は分からないようだ。
「カードは一体どこに……」
「カードって……これのことかな」
歩がポケットから一枚のカードを取り出した。
それに、華憐が目を開く。
「そう!!多分それのことだよ!」
華憐がカードを装置にスキャンさせ、『収容魂喰い一覧表』を開いた。
「歩……お前このカードどこから…………」
駆が問う。
「さっき倒れていたSEOの1人が持っていました。一応気になって持ってきたんです」
「…………さすが歩!ところで春は?」
今度は敢が問いかける。
「春は僕を先に行かせるためにSEOと戦っている………」
「春のことだ。心配はいらないな」
駆が言った。
「祐君の言ってる人…師さんだよね?C棟に居る……!」
どうやら情報を掴んだようだ。
「C棟……行こう!」
「…………ハッッ!!」
俊敏な動きで『ザクロ』を切り裂いていく工藤。
「さすが新しいセオウ………これほどの軽さとは」
「工藤君!さすがだわ、私は今3番隊の援護に向かうからここを任せてもいい?」
「………………………はい、わかりました」
(だが、これほどの量は………)
襲い掛かる魂喰いを次々に倒していく工藤だが、死に際の攻撃で肩に傷を負ってしまった。
(さすがにきついぞ……………………)
「師さんッッッッッ!!!!」
「お前………祐か?」
ザクロがB棟の魂喰いを開放している時、祐達はもう師のところにたどり着いていた。
「助けに来ました…………安心してください」
扉にかかった鍵を外すと、師が中から力なく出てきた。
「祐………成長したようだな」
「おかげさまで」
「ところで師さん?戦えますか?」
駆が師に向かって問いかける。感動の再開とか言っている暇は無い。
「君は祐の仲間か…悪いが、瑠魂をだせそうにない………」
「そうですか、大丈夫です」
「祐、師さんはお前に任せるぞ」
「はい」
「今度は脱出ルートを捜そう」
4番隊は、すでにその場にいたザクロの魂喰いを全滅させていた。
「えー、こちらは西潟。『ザクロ』下っ端の駆逐は完了しました」
隊長の西潟が峰崎に連絡をした。
「では、引き続き他の場所もお願いできるかな」
「分かりました」
「ぶへぉぁぁッッッ!??」
突然背後から悲鳴と呼べぬような悲鳴があがった。
振り返ると、部下の1人が男から伸びた大きな瑠魂で貫かれて死んでいる。
ローブを着たその男は、こちらを見てニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
「やぁっっっほぉぉぉお☆」
「峰崎さん」
「ちとヤバいやつに遭遇したもんで、できるだけたくさんの人材をこちらに集めていただけるでしょうか」
「……?一体どうしたんだい?」
「このタイミングで……暴食が現れやがりました」
何を求め――。




