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気まぐれで決められた最強勇者と異世界事情  作者: ヨベ キラセス
第二章 神の子事情
9/72

 あまりのことに、言葉を失う俺と カナミ


 確かに風習はあったとしても、そこまででは無い

 大概は迷信だと思うからだ


 口調が原因で痛い目にもあったのだろう…いや、一番の原因だとも思う



 しかし…



 言葉には出来る

 今すぐ伝えてもいいが…


「…スリーカウントで目が覚めます…スリー、ツー、ワン」


 パチッと音がしそうな程に目を開けた


「すまない! ここまで聞くつもりはなかった」

「…過去のこと、知ったんですね」

「口調についても」

「…そうですか」


 去るように立ち上がろうとした マキさん に続ける


「どうする気だ?」

「《タスタス》に向かいます」

「…そんなとこは無いぞ」

「いえ、《タマツクリ》の別名が–––」

「そんなのは知ってるさ」

「…ねえ、マキちゃん? こんな話聞いたこと無い」


 _________________________________


 ある少女は助けを求めてタスタスへ行った


 少女はタスタスで安らぎの時間を求めていた



 しかし、《タスタス》とは、裏のそのまた裏の名であった



 本当の名は《ビッグデッドリー》だと



 そこに入れば確かに安らぎはあるかもしれないが、その後は奴隷・売買に出されると言い、最悪は殺された方がマシなくらいの残酷な生活がある、と


 _________________________________


「《ビッグデッドリー》って、まさか!」

「…そうだ。帰るだけでしかないんだよ、そこに」


「…だったら逃げ回りますよ」

「いつまでも逃げられやしないって」

「それなら死にます。両親のように」

「…俺たちと一緒に」

「足手まといになるだけよ!」


 会話が止まってしまった


「…こんな性格を知られたら、誰もいなくなるか、傷つけられるだけよ…さようなら」


 このままじゃ立ち去ってしまう


 あーもう!どーにでもなれ!!


「待ってくれ! マキさん」


 足は止まらない


「…でも、マキさん。いや、マキ! 俺は…俺たちは性格とか特別だとかで判断もしないし、俺も スザカ も変な目では見てしまうことがあっても」

「…見るんだ〜」

「うるせー! …否定しないが。だって男だし…だが、手を出さない! それに俺は普通の マキ でいいと思う。俺たちは マキ を否定しない!」

「…ありがとね、じゃあ」

「俺は正直じゃない奴が嫌いだ!」


 歩き出した足が止まった


「確かに過去に何かあったのは分かってる。だが、俺は本当のお前がいいと思う! 自分を隠さないことは、信用するにも大事だ! 俺は嘘の仮面を被るやつを信用しない!!」

「……」

「お前は、どうしたいんだ?」

「……」

「俺たちは一緒には暮らせない。しかし、安息地を一緒に探すことは出来る!」

「……つまり」

「つまり、俺たちと一緒に来ないか?そんな一生から逃げて来たんだから」

「無理よ…安息地なんて」

「ある! 無ければ作ればいいんだよ!!」

「でも、人は––––」

「マキ も人だ!」


 マキ のは黙った


「マキ…世界は広いぞ。お前のこと知ってるやつなんか、ほんのちょっとだぞ! 探せば立派に暮らせる。魔物のいる今でさえ、十分な。死ぬ選択ができてるなら一緒に来て、世界を見て行けばいい」

「わ、私は…わた…し……は」


「取り込み中のとこ、悪いんだけどさ」



 いきなり カナミ が割って入って来た


「なんだよ、全く!」

「…ゲンキ の言ってた追っ手かもしれない」


 カナミ は、《索敵》を装備している


「…数は?」

「十人、かな〜?」

「楽勝だったらから大丈夫だろう」

「ただね〜、ゲンキ…スザカ が」

「あいつこそ大丈夫だよ」

「…それが、たった今捕まっちゃったよ」

「…よし、逃げようか」

「ちょっと ゲンキ!」

「言ってることとやってること、違うんですけど」

「お、それいいじゃん! …あいつは平気だ。それよりも––––」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ゴガッ


 扉を壊す


 誰もいないようだ


「アニキ! こんな紙が」


『バーカバーカ!アホマヌケ〜!!』


「…探せー!捕まえるぞ!!」

「いくらなんでもその挑発で…」

「いいから探せ! 必ず捕まえろ!!」


 _________________________________


 本当にアビリティは使える


 アビリティの中に《転移》があるのって、反則技を使った感じで気分が悪いが、残して来た紙で相殺させた


「で、どうする ゲンキ!」

「まずはあいつと合流するしか無いだろ。あいつ、催眠術くらってるし」

「以外に解けてたりして」

「あー、バカならありえるかも…」


 予想違わず、森に到着! 今助けるぞ!!


 と思って来たら、あっという間に全部倒していた スザカ を発見する



 俺はすぐ、スマホで検索した


 ---------------------------------------------------------


 パーティ:カナミ Level61/スザカ Level78/マキ Level57


 ---------------------------------------------------------


 検索結果


 デッドリー中隊 平均Level50

 最低 Level41

 最高 Level59


 ---------------------------------------------------------


 マキ のレベルも凄いが、スザカ のレベルの以上さはもっとびっくりだ


「あれ? おいらどうしてここに??」


 丁度切れた


 俺はこいつに『俺とあった時に催眠は解ける』ようにしたからだ


「…スザカ、スマホでステータス見ろ」


 すかさずポケットから出したスマホで検索する スザカ


「……なんじゃこりゃ!?」


 どうやら本当に無意識だったのだろうな



「おーい、こっちはいなかったぞー!」


 ヤバイ! もう追って来た!!



 …待てよ

「なあ、マキ。デッドリーって何人だ?」

「えーっと、30…だったかな〜?」

「で、総動員してるのか?」

「いやそれは無いね。多分半数ってところでしょう」

「よし! 乗り込もう!!」

「「「はい!?」」」


「だって、奇襲をかけるなら今だろ


 ボカボカボカッ!


「あり得ねーよ!」

「あんまりよ!」

「一人で行ったら!」

「…お前らー!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 仕方なく一度転移する


「だって、依頼だもん!」

「どんだけお前は依頼背負ってるんだよ!?」

「頼まれたら断れないんで」

「…言ってることとやってることが違うわよ」

「本当に、そうだな。ゲンキ、指丸いぞ」

「っと、ともかくだ。依頼がある以上、俺は行くぞ」

「…私も着いてっていい?」


 声の主、マキ は聞く


「私、どうしても取り返したい物があるの」

「…離れないでくれるか?」

「はい」

「えー! マッキー行っちゃうの!?」

「「マッキー!?」」

 いつそんなに仲良くなったんだ!?

 てか、マキ もびっくりしてなかったか?

「じゃあ、私も行く〜!」

「で、でも…」

「まあ、カナミ が一緒なら探し物の時分かれられるし」

「「分かれて行くの!!」」

「当たり前だろ! ボスは俺の獲物だ!!」

「じゃあ、幹部級も〜らい!」

「スザカ が幹部倒せるのか?」

「まっかせなさーい!」

「「…不安だ」」

「そんな〜! カナミちゃん まで!!」


 こうして、ゴブリンの親玉は保留で



 デッドリー壊滅・私物奪還作戦が開始された

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