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スライム:Level100
俺ら:平均60前後
一見して、勝ち目が無いように見える
事実、スライムは一体だけでなく二体、三体に増えたのだから
しかし、人間の Level1とスライムの Level1とは差があって、スライムのLevel5は人間の Level1ぐらいでしかない
つまり、Level100を倒すには Level50必要なのだ。しかし…
Level50に達しない者が仲間にいると、パーティ全員が満たしてないようなものであるとも言えるだろう
体験談から言うと、だ
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二名、スライム撃退
一名、スライム攻撃で、瀕死の重症
「お前、なんで50以下なんだよ!?」
「だって、俺最後の一撃で カナミちゃん に渡してたから」
「お前な〜」
言い忘れてたが、ラストアタックをするとしないとでは、経験値の上昇が違う
現に、カナミ と スザカ のレベル差は大きい
「お前、今日の夜付き合え」
「えー、眠いよ」
「拒否権なんてない」
「…そ、そんな大胆な!?そういう関係もあるけど、ゲンキ がそうならなくても」
「…カナミ、なんか恐ろしい勘違いしてないか?」
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「で、子供は寝る時間に何のよう?」
「お前のレベル上げだ」
夜になると、決まって強いモンスターが出る
例えば、この中ボス級のゴブリンとか
「あれ、倒せ」
「いや無理だって、おいらにはまだ早いって!」
「大丈夫、俺は回復専門だから」
「…それって、おいらだけ攻撃させるの!?」
「当たり前だ!」
「…え、援護は?」
「回復のみ」
「眠いよ〜」
「明日ぐっすり寝ればいいだろ!どうせ、ここには二泊するんだから」
ここ、宿泊する【安らぎの街 《タマカタチ》】には泊まってく理由があった
図書館だ
前に聞いたことがあったが、ここには異世界の本があったり、各地全ての本が集まる場と聞いている
《安らぎの街》と言うのも、『静かに落ち着き読書が出来る場』とも言われているからだ
ただ、タマカタチは別名がある、とジイさんが言ってた
その名は…
「ゲンキ、倒したぞ…」
いつの間にか、スザカ はゴブリンを全て倒していた
回復が出来る理由は、アビリティの交換でだ
ただ、まだまだアビリティはあるらしい
「よし、次は親玉潰すぞ!」
「…おいらが、だろ」
「そうだ!」
事実、夜の戦いに関しては三日前に知ったことだし、親玉を倒してくれと言う依頼が昨日あったので、こうして俺も戦ってきた
だって、スライムじゃレベル上がらないし…
「おいら、疲れたよ。レベルだってもう」
スマホを見る
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パーティ:カナミ Level61/スザカ Level58
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「…分かった」
「じゃあ」
「親玉倒したら終わりにしようか」
「なんで〜!」
「依頼だからだよ」
「…いつ依頼されたんだよ!」
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「…あい分かった。じゃあ、俺が倒すと」
「報酬はお前の物だ」
「よし乗った!」
単純だった
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今日で二日
そろそろ限界があった
森から脱出したけど、追っ手はまだいる
もう、あれの回収は諦めた方がいいんじゃないか?
形見でもあるけど、命には変えられないし、強い人だってそうそういないし…
足から崩れ落ちた
《タマカタチ》まで逃げれば安全なのに、逃げる力も無くなっていた
あれさえあれば、マシなことだって
【安らぎの街 《タマカタチ》】、別名【救いの街 《タスタス》】
そこに行った者は『罪が無い者は助け、罪がある者は更生させ、安息の日々が待ってる』と言われている
そこに行けば、私は助けてもらい、あれを回収できる可能性だって少しは…
私は、思考が停止…つまり気絶した
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目が覚めた時、私は背負わさっていた
そうか、捕まったのか
私はもう、自由は無いのだろう
また、あの暮らしを…いや、それ以上かもしれないわね
何か会話してるようだけど、聞こえないし、聞こえても何もできないほど体力は尽きている
空腹だ
不眠だ
衰退だ
奴隷だ
暗転
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また気絶したのだろう
やけにあたりが明るい
いつもなら、見えなくはないけど暗い一室だ
奥で何か話し声がする
部屋も綺麗
体力も何故か回復していて
服を脱いだが、途中で怪我したとこも消えていた
死んだのかしら
ベッドから降りた
ドアへ歩き出す
ドアを開ける
そこには、同い年に見える男女三人がいた
二人の男子は、こちらに振り向くと青ざめ
一人の女子は、呆然とこちらを見る
途端、私はあることに気づく
服を着てなかったことに
「「キャアアアアアアアアアアアア!」」
「「アアアアアアアアアアアアアア!」」
私は思わず、拳を握って殴っていた
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俺らはゴブリンの親玉を倒すために、歩いていた
「おいら、金のためならなんだってやるよ!」
「そうか、じゃあ死んだらいいよ」
「それじゃ本末転倒だろ!?」
「ジョークだよ」
「…てか、なんで帰ってるのさ」
「だって、親玉あの街にいるんだもの」
「…殴ってええか?」
実際には、さっきゴブリンから聞いた情報だ
信用性に欠けるが、どこにいるかを知らないのも事実
やらない損より、やって損の方がいい
しかし、その依頼を中止せざるを得ない事態が起きた
突然道端に少女が倒れるとこを通りがかったのだ
意識はないし、傷だらけだ
「どうする、ゲンキ?」
「どうするもこうするも、助けるに決まってるだろ!」
「安心したよ」
治療と回復のアビリティを使用した
一見して同じアビリティだが、《回復=内面》《治療=外見》である
その後背負って帰る
「そういえば、カナミちゃん はどうしたの?」
「あ〜あいつ?薬で熟睡さ」
念入りに今日は買って、飲ませといた
「おい、そこの坊主!」
後ろからの声
「…何か?」
「その娘、こちらに渡してくれないかな?」
よく見ると、体に絵を書いた青年が五人いた
「渡す、とは?」
「つべこべ言わず渡せよ、ゴラァ!!」
「まあ待て…ねえ君、子供がこんな時間にうろちょろしてると、こわ〜いモンスターに食われちゃうよ?その娘はお兄さん達がお家に届けてあげるからさ」
「…ゲンキ、あいつらにこの子は渡しちゃ行けない気がするぞ」
「…そう言う時は使えるよな」
俺らは間合いをとった
「なあ、お兄さん達。はいそうですか、って渡すとでも?」
「そこをね…」
「キゼさん、もうやっちまいましょうぜ!こいつら、さっきから舐めた口聞いてきて、切れましたわ!!」
「…待て、スベ!」
「待たねーよ!!」
スベ と言う男が襲いかかってきた
「スザカ、頼む」
「任せろ!」
結果、腹への殴り一発で倒した
さすが、Level58!
俺はスマホを出し、《レベル検索アプリ》を使って調べた
あっけない数字だった
「スザカ!こいつら《Level27》だぞ!!」
「そりゃ助かる、よ!」
ともう一発を別の奴に当てる
ゴブリンと戦ってる最中、あるアイテムをゲットした
《ゴブリンハンド》
手袋みたいなもので、殴ると威力がでかい
殴り合いでは、まともに戦えば俺が苦戦するほどの実力はある
まあ、無駄な小細工でダメにしてるやつだが…
ともかく、相性バッチリなあいつに勝つチンピラなどいない
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数分で終わった
もちろん、野生児の スザカ の圧勝だ
まあ、ここにはボスがいないようだが…
「さて、帰るか」
「おう!」
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パーティ:カナミ Level61/スザカ Level64
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まあ、あんなに倒せば強くなるはずだ
雑魚はともかく キゼ って言う奴に関しては、元々の スザカ じゃ勝てなかったLevel52だったのだ