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気まぐれで決められた最強勇者と異世界事情  作者: ヨベ キラセス
第三章 闘技の裏側事情
18/72

「赤コーナー【ゲンキ&スザカ】!」


 ワーーーーーーーー!!


「がんばって〜〜、スザカ〜〜〜〜〜!!」

「負けんじゃ無いわよ〜〜〜〜〜〜〜!!」


 こんな応援、最高っす!!


「対するは、白コーナー【シタラ】!」


 ワーーーーーーーーーーーーーーーー!!


 これまた負けないほどの歓声

 てか、長くね?


「キャーーーーーーーー! イケメーーーン!!」


 …カナミちゃん、ただでさえこれなのに悲しくなってくるからやめて


 カナミちゃん の言う通り、おいらよりも数段整った顔を持ち、細身ながら引き締まった体


 つまり『イケメン』

 これは何処の世界でも変わらない事実


「…よろしくお願いします、スザカさん」


 そして礼儀の良さ


「こちらこそ、よろしくお願いします!」


 礼儀には礼儀で答えるべきだ


 武闘家を目指そうと思った頃もあったおいらだからこその常識だ


 だからこそ、こいつの成績が何故『殺し』まで行ってるのかがわからない



 もちろん、白熱する闘いだった


 拳を打ってはかわすの繰り返し


 両者とも一歩も譲らない


 速度は徐々に速まる


「おらーーーーーーーーー!!」

「うおーーーーーーーーー!!」


 打つパターンはだいたい分かってきた


 まずはフェイントの右ストレート

 それを寸止めての左横殴り

 右と左の逆パターン

 アッパー

 こちらの拳を手の甲で受け流し続ける


 パターンは大体こうだ

 しかし、このパターンはあくまで多かったパターンであって、それ自体もフェイクかもしれない


「負けないでーーーーーー!」

「頑張れーーーーーーーー!」


 マキちゃん、カナミちゃん!!


「おいら、がんば––––」


「「シタラサマーーーー!!」」


 ––––れなくなったよ


「ハアッ!」

「ガハッ!」


 そうこうしてるうちに、おいらの溝うちに直撃

 かるく動けなくなった


 そこを狙ってきた

 おいらは両腕をクロスして防御に徹した


「さすが、『世界一の武闘家の弟子』だね」

「それもあるけど、応援してくれるレディの前でみっともない格好は出来ないのでね」

「…さすがイケメンだ」

「ありがとう」

「…ところでさ」

「なんだい?」


「そのポケットに入ってるものはまさか使わないよね」


 そう、さっきから気になっていたが、どう見ても鉄の何かがポケットにある


「これかい? もちろん…」

「もちろん?」

「…もちろん使ってるさ!」


 と、高速で動いてる中での装着にはびっくりした


 メリケンサックだ

 武闘との融合で、速度は落ちていない

 その上刺さる感覚が多い

 血も垂れてきた


 他のやつにも同じことしたのだろう

 こいつと戦って生存者がいないのにはかなり気になっていたからだ


 だが、それより…


「あんたの師匠って、そんなの教えてるのか?」

「いいや、古い脳だから物は使うなって言うけど、僕には関係無いね! 勝てばいいのさ、勝てば!!」


「…それ聞いて、安心したよ…転移」


 姿を消したおいらを探す観客と シタラ


 まあ、すぐ後ろのとこだけど


「何処に…って!?」

「あんたの拳は泣いている!!」


 俺は右ストレートをお見舞いしてやった


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 結果として、追い打ちの溝うちでKO


 今考えると、あっという間だった


「「スザカーーー!!」」


 走ってくる姿


 カナミちゃん と マキちゃん だ


 どうしよう、両手に花じゃな––––


「「この、腐れ外道!!」」


 間違えた、両肩にキックだ


「なにあんた勝ってるのよ!?」

「信じらんない!?」


 ひどいよそれ

 こっちが腐れ外道だってのに


「スザカさん」


 いきなり後ろから シタラ が話しかけてきた


 ガシッ!!


「あの〜、お二人さん? なんで両腕掴むんですか?」

「「シタラ様、やっちゃってください」」

「なんではもって言うの!?」

「…そうじゃ無いよ、スザカさん」


 そう言って、シタラ は礼をする


「ありがとうございました」

「「「えっ!?」」」

「目が覚めました! また一から修行し直します!!」

「はあ…」

「なので、もう一度勝負する機会を作ってくれませんか?」

「それはもう、よろしく」

「ありがとうございます! …これ、あなたにあげます」


 スザカ は『メリケンサック』を手に入れた


「では、何処かで!」

「ああ、またな!」


 そう言って シタラ は走って門から出て行った


「「どゆこと??」」


 こっちのセリフだよ…


「ああ、そうだ! 次、私たちの出番だ!!」

「そうだった!!」

「そうか、頑張れよ!」

「「もちろん!!」」



 その後は目をつぶりたくなるほど、男の誰もがきつい闘いだったのは、言うまでもない


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「結果として、見つからず、か」


 あっさり終わった闘い後、捜索を再開するが、見つからずじまい


「何処行ったのよ! まったく」

「そう遠くでは無いはずなのにね」

「あのバカ何処行ったんだよ」

「バカは言い過ぎだ」


『!?』


 宿に帰ってから開いた覚えが無いのに、ゲンキ は椅子の上にいた


『何処言ってたんだよ!!』

「下見だよ、シ・タ・ミ! …それより名物『ビッグアイスクリーム』食べる?」


 と、でっかいアイスクリームを三つ差し出す


『いただく!!』



 その後、聞くことの内容を忘れたのは言うまでもない


 多分、アイスクリームに集中してる最中にでも【記憶操作】を使ったのだろう…



「ちなみに明日は?」

「? 大会は無いはずだから暇だが…」

「じゃあさ、一緒に––––」

「か、カナミちゃん! おいらと回ろうよ!!」

「ゲンキ、買い物手伝って!!」


「ああ、だったら四人で行こうぜ」


『…そう、だね』


 なにこの空気、って顔をしてる ゲンキ

 いい加減分かれよ


 それともワザとか、ゲンキ

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