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「「ウラララララ…!」」
「……………」
…どう考えても避けやすい
スザカ はもちろん、俺自身思っている
さっきの中肉中腹ではなく、双子の兄弟
年齢は大体17〜19ぐらいだろう
二回戦
【ゲンキ&スザカ vs 爽快ブラザーズ】
このネーミングはどうだろう? 知らない奴は知らないぞ…
右、左、右、左、右、左…
左、右、左、右、左、右…
同時に打ってはいるが、どう考えても単調すぎないか?
「な、何故!?」
「あ、当たらない!?」
「…おい〜、ゲンキ〜……」
泣くな、スザカ
出たいっつったお前が悪い
「…はあ……」
ため息まじりに、スザカ は瞬発で相手の溝うち目掛けて殴る
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「もう少し強いやつと戦いて〜!」
「仕方ね〜だろ、あんなレベルじゃ…」
「くそ〜、あんな雑魚じゃレベル上がらね〜よ〜」
実際、二回戦までの成績で『Level80』どころか、『Level50』にも到達してない奴らばかりだ
それでは経験値はたまらない
「お疲れ〜」
カナミ と マキ だ
「…疲れね〜よ」
「そりゃ疲れないでしょう! あんた休んでたんだから」
「いや、こいつもだ」
このペアに関しては、マキ の出番なくあっさり カナミ がトドメまでさす
教えた甲斐がなかったかな?
「強いのこいよ〜」
「お前は俺の次に魔王級だからな」
ガタッ
いきなり カナミ が立ち上がった
「どうした? カナミ」
「……」
「おい」
「カナミちゃん?」
「カナミン?」
「…………まお…う……ま…お……う…」
「カナミ!」
「ハヒッ!?」
そこで正気に戻った
「ど、どうしたの、急に?」
「お前、大丈夫か?」
周りもそう思っている
「やだな〜、そんな心配しないでよ。居心地悪くなるな〜」
「…すまん。大丈夫ならいいんだ」
「そうよ、大丈夫よ!」
…実際にはこれが最初ではない
魔王
その単語には、一体どんな意味が カナミ の中にあるのか、俺たちは理解できない
ただ、あの日以降気をつけてたのに、俺は忘れていたのだ
俺は遣る瀬無さでいっぱいになった
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「第三回戦! 赤コーナー【ゲンキ&スザカ】! 白––––」
「…なあ、俺が出ていいか?」
「おう、かまわねーぜ!」
こいつがバカでよかった
いや、今はバカのふりをしてるのだろうな…
もちろん、俺の圧勝だった
鬱憤含めてぶつけたので、相手は瀕死状態だ
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「おいおい、やり過ぎだろ!」
「いいんだよ! 今後簡単に出てくるバカは減るだろ」
「…まあ、リタイアして行った奴ら結構いて、スッゲー混乱してっぞ」
「おおお!それなら早く終わりそうだな!!」
「…まあ、強い奴は残ったらしいし、おいらもいいんだが…」
『急遽リタイア続出により、各ブロック決勝戦を開始します! Aブロック『ゲンキ&スザカ】vs––––』
「よし、呼ばれたから行くか!」
「おう…って、お前も出るのか!?」
「はあ? ただ見てるだけに決まってるだろ!」
「…そうだったな」
と、他愛の無い会話をしながら、俺たちは会場に急ぐ
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「決勝戦第一ステージ! 赤コーナー【ゲンキ&スザカ】!」
ワーーーー!
「観客いるな〜」
「まあ、各ブロック決勝戦の勝ち残りだし!」
「でも、ほぼリタイアだし、決勝なんかスッゲーちゃらくて、実力分かってないバカだったじゃん」
「…それをいったら負けだろ、ゲンキ!」
「…すまん」
「え〜、対するは白コーナー【ジル&ブラ】!」
ワーーーー!
「ジル&ブラ? そんなに強いのか?」
「そりゃもう! 前の大会でもすごい成績を––––」
「この実力揃いで?」
「…返す言葉が見つからない……」
「では、両者ステージへ!!」
「まあ、ヤバければ加勢するよ」
「そう言ってくれるとありがて〜」
「いや、そこは『お前の出番はねー!』だろ!?」
「そっか。おま––––」
「遅い」
「ソンナコトイッテラレルノモイマノウチ!」
「キサマラヒトヒネリヨ!」
と、顔の黒すぎる、大柄なペアが言ってきた
「あ、すいません。お騒がせして」
「「フン、バカノザレゴトキキタクナイ」」
カチン☆
「…おい スザカ」
「なんだ?」
「あの馬鹿ども殺すーーー!」
「落ち着け ゲンキ!」
「ヘン、バカガサワイデルヨ」
「離せ、スザカ!! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す––––」
暗転
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どうやらおいら一人で倒す必要がありそうだ
ゲンキ は今、のびている
あいつを動かすと本当に殺しかねない
「「ヘン、カカッテクルヨ!!」」
「おう!」
突進した
奴らは何かを蹴って来た
ボールだ!
よける
しかし第二波!
避けきれん
バゴッ!
顔面直撃だった
「「ヘッヘーン! バーカバーカ!!」」
…ゲンキ、お前の気持ち良く分かったよ
「…大人気ね〜と思わねーのか、クニャスミ!!」
「「ク、クニャスミ!?」」
彼らは分かってないようだ
あのくねくねして、白くて、まるである異世界のことが載った本の中で言うとこの『イカ』に似た奴が、吐いた墨の事だ
ちなみに、クニャはおいらの村の特産品だ
あの墨を吐かれた時のイライラがほぼ一緒だ
ダッシュした
反応はいいらしく、すぐにボールを蹴って来た
…あのボール、何処かで見た気がするな?
おいらは今度こそ、そのボールを避け続けた
曲がってくるボールもほぼあり、腹のど真ん中を狙ってくる
異世界でのサッカー選手になれそうだ
そうだ! サッカーボールだ、あれ!!
「「ア、アタラナイ!!」」
おいらはシュートしてくるボールを
避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けてキャッチして避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて…
ゼロ距離まで来た
もうワナワナする二人を前においらは立っていた
「…サッカーって知ってる?」
「「モチロン!!」」
「…じゃあ、遊び方もわかるよね?」
「「…………(コクコク)」」
「…これってそう言う遊び?」
「「チ、チガイマス!!」」
「…ルール知ってる?」」
「「ハイ!!」」
「…今後一切、攻撃に使わない?」
「「ハイ! ヤクソクシマス!!」」
「…じゃあ、今度一緒に」
おいらは少し間隔をあけた
「「ヒヤーーーーー!!」」
二人は逃げた。しかし…
「サッカーしよう、ぜ!!」
と、サッカーボールを蹴って、とらえてた ジル の頭に当たり、跳ね返って ブラ にあたり、KOさせた
意外においら、サッカー上手いのかも
そう自負した