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「やあ、お久〜」
「…何の用だ?」
「つれないね〜。折り入って頼みたいことあるんだ〜」
「…ふん、悪魔風情が」
「いやいや、俺様だって立派な人間だよ〜」
「…あいつらの手伝ってれば同じこと」
「そんなにきらい?」
「…別に……それより何だ、用とは?」
「おっ、さっすが《ゴタゴタ好きの『ザイガ』》だね」
「…関係ない」
「君にさ、参加して欲しいイベントがあるんだ〜」
「…殺しは?」
「するする、確実に一人殺していいやついる〜」
「…詳しく聞こうか」
「《鋼鉄の殺人鬼》の名も伊達じゃないね〜」
そう、こいつは普段は素っ気なく、めんどくさがりだが、人殺しの依頼は無表情ながら、内心喜んで引き受ける
「…どいつを殺せばいい? キゼ……」
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「なあ〜、出ようぜ〜」
「い・や・だ!」
「そんなつれね〜こと言うなよ〜」
「いんじゃないの? やんなさいよ」
「うるせー、ジェニー食い!」
「じ、ジェニー食い…」
「ちょ、酷いわよ ゲンキ!マッキーこんなに固ま––––」
「お前はご飯盗み食いだ!」
「酷い〜!」
俺はどうしても嫌な理由は、嫌な予感がするからだ
何かやばいことに突っ込みそうだし、どう考えても嫌だ!
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戻って朝
俺たちは今、《タマガタチ》から結構離れたところ《スタイベージ》って言う、闘いの本場にいる
俺らはそこの宿で三部屋借りて、一泊していた
そんな朝、あるチラシが落ちていたのを、不幸にも スザカ が拾う
『第五十三回
スタイベージ最強決定戦』
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「俺は走ったりするのが苦手なんだ…」
「嘘だ! そんなもんないぞ!!」
「おれ、体調が悪いんだ…」
「スッゲー、ピンピンしてるぞ!」
「…俺は……」
ポムッ
「諦めなさいな」
そんな悲しいこと言うなよ、カナミ
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「エントリーは二人で…」
「はい、お願いします!」
「相棒さんは?」
「…いいです……」
意気消沈
「では説明します。この大会では基本、ギブアップしない限り、殺しありです」
「…ギ––––」
「で、続きをお願いします!」
「…でして、殺さなくても勝利は目に見えてれば止めることもありです。あと、降参しない限り、チームが揃わなくても続行出来ます」
「な! 決勝まで休んでてもいいからさ」
「…ならいい」
「…話を続けます。武器は自由です。健闘を祈ります」
「…つまり、『何してでも勝てばいい』か?」
「はい。この試合は反則自体ないですから」
良からぬ予感は当たったようだ
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「まあ、エントリーしたからには手伝うさ」
「そりゃ助かるよ!」
いくら親友でも、呆れるぞ!
「ようし、血祭りには何人必要かな〜」
…いくらなんでも、親友やめるぞ
「負けないわよ!」
「勝つのは私たち!」
「…お前らも出るのかよ」
物好きと言うか、なんと言うか…
ゾクッ!
「!?」
今何か嫌な感覚が…
俺は走った
「あ、ゲンキ!」
「何処行くのよ〜、ゲンキ〜」
「ちょっとトイレ!」
追ってみたが、結果として見つけられなかった
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さすが、依頼するほどのことはある
この俺の【アビリティ:気配】に気付くとは…
殺し甲斐がある
ツウッ…
(!?)
俺は肩から血が流れているのに気付いた
いつだ!?
いくらなんでも気付かないはずがない
「…『ゲンキ』、面白くなって来た」
俺はあの武器を磨き直すことにした
こんな刃こぼれだらけでは勝てないだろう
「…殺すのが楽しみだ」
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俺は今、外にいる
ウルフ討伐だ
言うまでもなく、また依頼だ
ついでに マキ も連れてきた
「ってことで、こいつらを操ってみろ」
「…あんた、いきなり何?」
「出るんだろう? だったら勝てるようにレベル上げるべきだ」
「正論ね」
その後数時間、マキ はハープを弾き続けた
ウルフは踊り出した
危うく俺までやりそうになっていた
そして、ハープでの攻撃方法が考え出た
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朝は早かった
よく眠ってた二人はピンピンして、俺たちは歩き回らせられた
マキ も何故か元気だった
まさかハープに何か秘密が!?
と聞いてみたら、【アビリティ:完全処置】(回復は必須と思い、俺がわざと大怪我したのを治させて覚えさせた)を使っただけだった
そんな効果があったのか。これで毎日安心だ!
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「では、第一回戦を始めます」
俺たちは今、リングの上にいる
ってか、リング!?
何故そんな名なんだ!?
「はっはっは! お前らなど、一捻りだ!!」
「こっ、こいつは!」
「ああ、こいつは!」
図太い声
平均ぐらいの大人の体型
年齢は30代前後
中肉中腹
スッゲー普通で、スッゲー弱そうだ…
あっさり勝った(スザカ 一人)あと、見回ってたら、ほぼそんな体型ばっかだった