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「いたか!?」
「ダメだ! どこにもいねー!!」
これでもう二時間ぐらい経った
遠くへ逃げた…は無いだろう
少年達はともかく、あの少女は無いだろう。何故なら…
「俺は一度アジトに戻る。あと任せていいか?」
「もちろんすよ、キゼさん! 任せてください!!」
「…ありがとよ」
俺は急ぎ、アジトに戻った
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「目標地点、デッドリー内部、トイレに到着っと」
俺は何故か適当なノリで行ってしまっていた
言い忘れてたが、転移出来るのは一回で、その後は待機時間が出来る
俺はスマホを出し、アビリティを再設定する
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アビリティスロット:3×2
使用アビリティ:完全処置|気まぐれ|加護|索敵|気配|強化
使用可能アビリティ一覧
索敵
追跡
転移
強化
回復
補正
治療
瞬発
気配
知力
加護
暴走
製作
気まぐれ
記憶操作
催眠術
完全処置(回復&治療)
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よし、いいだろう
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数分前
「じゃあ、この組み合わせで行くか」
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陽動&幹部級討伐→スザカ/場所:正面突破
マキ の私物捜索→マキ&カナミ ペア/場所:正面の敵消滅後
ボス討伐→ゲンキ/場所:アジト内部のトイレ
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「了解だぜ!」
「オッケー♫」
「任せて!」
「では、健闘を祈る!」
『生きて会おう!!』
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場所:正面
「オリャァァァァァァァァァ!!」
ボコッ、ドコッ、ズグッ!
あっという間に警備の敵、しかもLevel50以上を一掃する
ちなみに
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アビリティスロット:3
使用アビリティ:強化|瞬発|回復
使用可能アビリティ一覧:
索敵
追跡
転移
強化
回復
補正
治療
瞬発
気配
知力
加護
暴走
製作
気まぐれ
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である
「こいつ、化け物だ––––」
ゴスッと、悲鳴を上げる男を黙らせる
「…おいらだって、人だっつーの」
俺は一掃した敵を見ずに、先へ進んだ
「強い奴、出てこーい!!」
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同時刻 同場所
「ありゃ、化け物だわ」
「全くよ」
マキ と カナミ は、残骸を見ながら スザカ をそうみた
「…まず行きましょうか?」
「…そうね」
そのまま止まってるわけにもいかず、ぐたーっと倒れる男の残骸を踏みながら歩き出した
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約十分歩く
「どう?」
「もう少し奥に金庫があるはずよ」
「金庫か〜!」
ザックザックの金貨を想像する
「で、あなたが取られたのって?」
「…母の形見よ」
「どんなの?」
「...ハープよ」
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それはもう、数年前のこと
母は演奏家でもあったのよ
母の演奏するものは、人だけでなく、魔物をも和ませて行くほどなのよ
二年前に死んじゃったけどね
でもね、本当は両親が死んでから、私が弾くと魔物が言うことを聞くの
聞いてるだけで和ませてるらしいんだけど、母以上に魔物にも影響するの
演奏が終わったらいつも魔物が集まっているの
でもね、危害を加えなくもなったのよ。それどころか、悪い奴から助けてくれる
昔は暴れてた魔物をも手懐けた、そんな伝わりで私はまた、《神の子》というレッテルまで貼られた
私はただ、母の残してくれたこのハープを弾きたいようにしてるだけなんだ
だから、魔物が全滅した時の私に向ける目は恐ろしかったわ
デッドリーに来てすぐ、ハープは取られたし…
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「だから、形見は取り返さないと…」
彼女の気持ちはわかる
私も母はいない。いや、両親をだ
だからこそ形見があれば勇気が出る
このスマホのように…
「分かったわ! まっかせなさーい!! すぐ見つけてあげるわ…だから、見つかったら私と、友達になってくれる?」
「…ぜひ!!」
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金庫に着いてから数分かかっている
「あった〜?」
「まだ〜」
やけに静かだ
うまく スザカ が囮になってくれてるからだろうか?
「ほんと〜にここ?」
「間違いありません!」
「い〜や、間違いさ」
突然扉から声がした
開けっ放しのドアが閉まる
「既に回収済みさ。悪かったな、嬢ちゃん…達」
そこに立っているのは誰かわからなかったが、マキ は知ってるようだ
「探したぜ、マキさ〜〜ま!」
「…キゼ」
キゼ
どっかで聞いたような気が…
した! 朝だ!!
朝に ゲンキ が言ってた男だ!
記憶から合致し、満足感に浸った
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同時刻
「オリャァァァァァァァァァ!!」
ドス、ドス、ドス!!
「ウオリャァァァァァァァァ!!」
ガス、ガス、ガス!!
「ハアアアアアアアアアアア!!」
ドガッ、ドガッ、パシッ!!
パシッ?
「あまり島荒らさんでもらえまんか?」
と、おいらの拳を握って受け止めた男がいる
「…あんさん、幹部か?」
「…親衛隊が正しいかな」
よっしゃ、幹部キターーー!!
「声に出してまんがな」
「あ、すんません」
大柄な体型だが、何故か言葉に重みが無い男だった
「…で、あんさん含め、何人いるどす?」
「親衛隊が? 確か四人かんな」
「それって四天王じゃあらへんか!?」
「知らんよそんなん。それにな…」