第八話 未来の手紙
「これだ。」
夏輝と臨は、もといた研究所に戻っていた。
そして、臨はすぐさま未来の夏輝からという手紙を渡す。
「開けるぞ?」
夏輝は、手紙の入っている封筒を丁寧に開け、中から紙を取り出した。
『やぁ、二十年前の俺。きっと、いろいろと驚いているとこもあると思うが、落ち着いてこの手紙を読でほしい。君はもう見たと思うが、今この世界は破滅に近づいている。俺はどうにか破滅の危機を止めようと、一人で調査をしていた。すると、とても重大な情報を入手したんだ。…破滅を阻止する方法を。』
「な、一人で調査をしていた…!?どういうことだ!あいつ…!!」
隣で手紙を見ていた臨が驚きの声を発する。
未来の自分からの手紙を読んでいるという実感が湧かないことからなのか、ましてや、臨の驚いた声に驚いたからなのか、夏輝は変な気分だった。
『実は、この科学の進んだ未来にひとつだけ、解明されていない遺跡があったんだ。…この街の近くにね。俺はこの遺跡は、世界の破滅に深く関わっているんじゃないかって考えたんだ。案の定、大きく関わっていたんだけれどね。“ダークサス”は、この遺跡から表れていたんだ。ただ、遺跡の入り口にはバリアがはってあって、俺には入ることが出来なかった。しかし、手がかりをみつけたんだ。古代文字碑のかかれた石碑だ。あまりにも古すぎて、他の人には解読出なかったようだ。そこには、[この文字を解読した者の二十年前、勇者となる]と、書かれていたんだ。』
二人は黙って手紙を読んでいた。




